Escape World 3 (ページ23)

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sk「阿部ちゃん！！」

黄「なんで、この人達はこんなにも…」

ニノは呆然と俺達を見ていた。

その顔はどう見たって諦めの色が浮かんでいる。

でも俺には分かる。

ニノだけじゃない、4人とも大野さんを助けたいんだろ？

人工能力者になるなんて相当な勇気が無いと出来るはずない。

彼らも同じなんだ。

赤「ニノ。俺らだって…まだ助けてないよ。俺らのリーダーのこと」

黄「……」

櫻井先生はその白衣の下のスーツに染みを作るくらいの汗をかいている。

能力は使えば使うほど体力の消耗も早い。

とはいえ無効化の能力は全く効いていない訳では無いようだ。

その証拠に最初より少しだけど、崩壊のスピードが遅くなっていた。

緑「リーダー返せ！」

紫「リーダー、早く起きろよ！」

赤「リーダー！！」

黄「リーダー！何寝てんですか！！」

後ろから聞こえてくるその声に、ほら、本当は諦めてなんかないじゃないかって。

届け、全員の思い。

阿部ちゃんも大野さんも早く目を覚ましてくれ。

「うるさいなぁ…おいらまだ眠いんだってば。その声、翔ちゃんにニノ？…相葉ちゃんも、松潤もいるの？」

突然目を擦りながら博士の口から出た声は、さっきまでの鼻につくような話し方じゃなくて、ゆったりと呑気そうな声だった。