愛のかたまり113 ページ16
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___"会いたい"
なんとなく、
私が言ったあの言葉の中に含まれてる意味を
彼は察していたのかもしれない。
紫「別れるってこと?」
だって、
引き止めることも
嫌だとも
彼は言わない。
あ「うん。そうだよ。」
あっさりした態度で返す私の頭に
ポン、と彼の手が置かれた。
紫「俺、また一人で抱え込ませちゃったんだね。
俺がいくら言ってもAの性格上、
何でも一人で解決策見つけようとするから。」
…ほらね?
やっぱり分かってた。
優しく頭を撫でながら私に向ける彼の表情は、
悲しげに苦笑いをもらしていた。
紫「ごめん、」
.
違う。
紫耀ちゃんのせいじゃない。
その逆だよ、紫耀ちゃん。
私のせいで大切な人が悪く言われて、
私なんかで悩ませて、
それが私にとって更に罪意識が強くなるの。
あ「私こそごめんなさい」
もう、私のことで悩まないでほしい。
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.
明日になったら
もう、私達は恋人ではなくなる。
お互い、別々の道を行くんだ。
だから、それまでのこの時間は
絶対泣かないと決めていた。
"笑顔でバイバイしよう"
二人で決めた、最初で最後の約束。
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作者名:rion | 作成日時:2019年3月27日 16時