愛のかたまり07 ページ7
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触れるだけのキスをして、
すぐに離れようとした。
あ「…ッ、！」
途端に後頭部をガシッと押さえられ、
上唇を掬い上げて、
貪るようなキスが降りかかる。
あ「んっ、ちょっ、…」
息継ぎしようと口を開いた瞬間、
その隙を狙ったかのように
口内へ侵入してきた紫耀ちゃんの舌。
あ「ん…、」
何度も角度を変えては
逃げる私の舌をあっさり絡めとる。
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ちゅっ、とわざとらしいリップ音を鳴らし、
ようやく離れた時には、
紫「その顔は誘ってる？」
満足したような微笑みを向けて、
余裕そうな表情をする紫耀ちゃん。
あ「…ッ、ちがう…っ！」
紫「ベッド行く？」
射るような視線を送っても
彼に効果はないようだ。
あ「お風呂入るっ！」
紫「冗談だよ。行ってらっしゃい。」
ちょっと強気で返したはいいものの。
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紫「…風呂入んないの？」
中々ソファから立ち上がらない私を見て
疑問を投げかける。
あ「…」
砕けるようなキスをされたせいで
全身の力が抜け、動きたくても
動けないの…！
なんて、そんなこと言えると思う？
紫「A？」
あ「…」
紫「Aちゃーん？」
口を噤んだまま俯いてる私の名前を呼ぶ。
あ「…連れてって…」
紫「ん？」
あ「お風呂場まで連れてって…！」
紫耀くんのズボンを掴み、
可愛げなく上からお願いする。
すると、
紫「…あーなるほどね。」
すぐに状況理解した彼は、
一人納得した様子でクスクス笑った。
紫「はいはい。連れて行きますよ。
可愛いお姫さまのためだもん。」
あ「もうお姫さまって
可愛く言われる年じゃないからやめて。」
紫「俺にとってAはお姫さまだけど？」
恥ずかしい台詞を口にしながら
軽々と私を抱き上げて脱衣所まで
連れてってくれた。
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作者名：rion
| 作成日時：2018年12月6日 15時
