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同窓会が始まって少し経った頃。


それまで、ずっと教え子たちが挨拶をして列が出来ていた教授の前の列が途切れたのを見つけて、教授のところに向かって、挨拶をした。

「先生。ご無沙汰してます。清水です」

「ああ!清水さん!いやまあ・・・綺麗になって」

「先生、褒めても何も出ませんよ?あ、先生、おめでとうございます、なのかな?これから、どうされるんですか?」

「実は、ある大学に客員教授として呼ばれてて。清水さんは何を」

「私は、会社員してます」

「きっと優秀な社員さんなんでしょうね」

「優秀かどうかはわかりませんが、頑張ってます」


そんな会話をしていると、入口の方がざわつくのが聞こえた。




同窓会が始まって、30分くらいして、宴会場に入ってきた1人の男。

「おお!櫻井!」

「櫻井くん、来た!!」

誰かが彼を見つけて、名前を呼んだ途端、みんなが一斉に彼を見た。

「お!有名人が来たな!」

教授が、遅れて来た彼を見つけたところで、

「じゃ、先生、失礼します」

そう言って、教授の前から離れると、人ごみの中に身を隠した。




彼は周りから見られてることなんて気にせず、退任する教授を見つけると、まっすぐに向かって行って、

「教授、ご無沙汰しております。櫻井です」

って爽やかな笑顔で教授に挨拶をした。


彼と話す教授も嬉しそうだ。

そりゃそうだよね。

教授のゼミ生で、一番の出世頭だもん。



昔よりも立ち居振る舞いに自分への自信が溢れているのは、遠くから見ていてもわかった。



櫻井 翔。

大手企業に就職したんだけど、そこを数年で辞めて、会社を立ち上げた。

彼が社長を務める会社は、あれよあれよと規模を大きくして、今や、経済誌の「日本経済を担う社長」特集に載るほど。


その記事を、たまたま、会社で見かけたのが数か月前。


・・・今日の同窓会のハガキの、出席に丸を付けるきっかけになった男。



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作品ジャンル:恋愛
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JUMP©(プロフ) - はじめまして。今まで見た櫻井くんの小説の中で1番面白かったです!最高すぎです! (2018年3月20日 23時) (レス) id: 6d0fd0d2ee (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - もぉ「サイコー」の一言です>^_^<潤くんと斗真くんの素敵なアシストで…やっと一緒になれた二人(*^艸^*)仲間っていいな♪ (2017年10月29日 10時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
くま - 初めまして。最高でした!これからも読ませていただきます (2017年2月7日 18時) (レス) id: 580296d8bb (このIDを非表示/違反報告)
かな。(プロフ) - あたしも たまらんです(ToT) ココロあたたまるぅー(ToT) これから他のおはなしも読ませていただきますm(__)m (2017年1月31日 0時) (レス) id: a6a05aa3cf (このIDを非表示/違反報告)
ayan(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´艸`*)たまらんです! (2017年1月29日 23時) (レス) id: e9b28d9f07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でいじぃ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月23日 19時

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