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パフォーマー ページ2

Aside


A「…はい。」


玲於「ん。よし、んじゃ、いってきまーす」


A「あ、うん!…いってらっしゃい!」


玲於くん、ドア閉めるとき確かに
ニコって微笑んでからお家、出て行ったの。
ほらね、優しいでしょ?
きのうのこと気にしてかあえて何も話さないのか
だけど安心だけはちゃんとさせてくれる
さり気なく気を遣ってくれる
玲於くんのいいところ。
ふふ、嬉しくてにやにやしちゃうなぁ。


今日は土曜日で世間的にはわたしを含めお休みの人が
多い日だっていうのに玲於くんには関係ないみたい。


それから特にすることもなく
ソファでぼーっとしてた。


「亜嵐くんとはもう遊びに行かなくてもいいんじゃない?」



きのう水族館で言われた言葉が頭の中をぐるぐるする。

ほんとに、きのうたくさーーんのことがありすぎて
その時その時で精一杯だったけど
いまこうしてあらためてゆっくり考えてみると
きのうのことはぜんぶ夢だったんじゃないかとさえ
思えてくる。

…なんかい思い出しても玲於くんが何を思ってああ言ったのかやっぱりわかんないや

手、繋がれたのも
オバチャンに彼女だって紹介したのも
ぜんぶぜんぶ予行練習のためだって
説明がつくんだけど

…結局あの言葉の意味だけはいつまでたってもわかんなかった。




何の気なしについてたテレビには
美味しそうにカツ丼食べてるとこが映ってて
きのう玲於くんと一緒に食べたオバチャンのスペシャルセットさいこうに美味しかったなぁなんて
また思い出したりして。


テレビの周りには洋画とか邦画とか
コンサートDVD的なものとかドラマのDVDっぽいのもいくつかあって
どれかみようかなってゴソゴソ探してたんだけど

…あれまって、このDVD
GENERATIONSって書いてない?
いそいでディスクをいれて再生ボタンを押す。


A「…わ、すごい……ほんとに踊れちゃうんだ」



画面にうつってる玲於くんは
今までにみたことないくらい一生懸命で本当にキラキラしていて、正直驚きを隠せなかった。

ほかにも
涼太くんってこんなに歌上手いんだとか
龍友さんってあんなコワモテなのにこんな綺麗な声出るんだとか
亜嵐くんってこんな楽しそうな顔して踊るんだとか
ぜんぜん知らなかったからすごくすごく新鮮だったんだけど、

涼太くんでも亜嵐くんでもなくて

サノレオじゃなくて
私が知ってる玲於くんでもなくて

パフォーマー、佐野玲於から
わたしいつの間にか
めがはなせなくなっていたんだ。

敵は→←ほんとは



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作者名:ゆず | 作成日時:2018年2月16日 2時

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