好きって言ってよ１［佐野玲於］完結

なみだまくら ページ21

ASide







【20時】





お！きょうは早いな、
え、いつの間にかもはや時間だけ
送ってくるスタイルになったの？(笑)

もうすっかりこのやりとりは日常的になってて。




【今日は唐揚げだよ、がんばってね】





ピコンッ



『はや(笑)』






【それはかなり頑張れる】







頑張れるんだ(笑)
なんかかわいな。




いつもみたいにご飯しかけて、鼻歌うたって、唐揚げの下準備して、スープも作って万端の状態で





お風呂入って
顔パックして
うつらうつらしながら
帰りを待つ。

んだけど．．．




『おそい。。。』




只今21時20分。まぁそりゃそうだよね
ここ何日かが奇跡的だっただけで
普通に帰るの遅くなっちゃうよね。






わたし、おなかすいちゃった。






それから22時過ぎても23時過ぎても帰ってこなくて。


まってなきゃ、まってなきゃ、っておもうんだけど







ガクンッ
『わ、ねてた』


ダメだ、ねむい






LINEもきてないし、
邪魔しちゃ悪いから連絡とかもできないし
どこでなにしてるかもわかんないから





もうねよう。
お腹空いたピーク、もう通り越しちゃった。
今日は腸を休ませてあげる日にしよ。




でもせっかく作ったし




『唐揚げだけ揚げとかなきゃ』






下準備しながら喜んでくれる姿
考えたりしながら作ったから





パチパチ油が跳ねるとこみてたら
なんかむなしくなってきちゃって。




ポタっポタっ 『ううっ。』







悲しいとか
悔しいとか
寂しいとか








よくわかんないけど
いろんな感情がこみ上げてきて
その日の夜はなみだまくらを濡らした。

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