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私はその後、気を失ってしまい
次に目を覚ました時には
上裸の先輩の腕の上で
眠っていたのだった。
さっき貸してもらった服を
私はきちんと身に纏っていて、
隣では先輩がスースーと
気持ちよさそうに
寝息を立てながら眠っている。
一瞬、今までのことは
全て夢だったのではないかと
そんなことを考えもしたが、
あぁ、先輩が全てやってくれたんだと
すぐに悟った。
部屋の時計に目を向けると
時刻は夜の10時を過ぎていた。
厚い胸板に顔を預け、
先輩の心臓の音を聞きながら
ゆっくり息を吸って大好きな香りを
全身に染み渡らせる。
少し気持ちが落ち着いたので、
ベッドから立ち上がり
部屋を出ようとすると
ガサゴソとシーツの擦れる音がして
後ろを振り向くと
大きな瞳に捉えられる。
紫「……ん、起きたんだ。どこ行くの？」
「私、帰ります」
紫「別にこのまま泊まってけばいいのに」
静かに首を左右に振ると
急に立ち上がった先輩が
素早くTシャツをに身に纏い
“ ちょっと待ってて ” と言い残し、
どこかに消えていく。
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紫「はい、これ。乾燥機かけといたから。」
「すみません、何から何まで。」
渡された袋の中身を見ると
さっきまで雨で濡れていた
制服のシャツだった。
……いつの間に乾燥機なんて。
本当に、先輩には頭が上がらない。
紫「でもスカートはどうにもならなくてさ。
まだ多少濡れちゃってるけど。」
紫「だから今日はそれ着て帰りな」
それ、というのは
今私が着ている先輩の部屋着だった。
部屋着といっても
外を出歩くのには充分なもので
有難くこのまま借りて帰ることにした。
紫「家どこ？もうこんな時間だから送ってくよ」
「いえ、すぐ近くなので大丈夫です」
紫「じゃあ、せめて駅まで送らせて。
ここからじゃ道もわかんないだろうし。」
家を出る前にこれじゃ寒いからと、
グレーのパーカーを肩から掛けられる。
「ありがとうございます」
紫「ん。じゃあ行こっか」
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みう(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます^^今までの作品も読んでくださりとても嬉しいです、そして温かいお言葉の数々も嬉しい限りです(；；)これからも是非お付き合い頂けると幸いです。今作もご愛読ありがとうございました！ (2020年10月23日 23時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 完結おめでとうございます！みうさんの作品読んでます、いつも切ない感じで恋愛ってそんなに上手くはいかないもの、人の気持ちってそんなに簡単にいかないものって現実を見せられてる気がします。いつも素敵なお話ありがとうございます！また新作も楽しみにしてます！ (2020年10月23日 22時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年9月16日 17時
