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伏せた瞼が綺麗な二重の線を際立たせ、
長く伸びた睫毛が微力ながらに揺れた。
厚く弾力のある桜色の唇が
私のものに触れれば、
一気に教室での出来事が
フラッシュバックしてくる。
さっきも、今も、
何もわからなかった。
その目から感じ取れるものは何も無くて、
先輩は一体今何を考えて感じているのか、
悔しいほどに読み取れない。
「……先輩」
少し音を立てて離れていくと、
今度は徐々に
深く絡み合うものに変わっていく。
視界が大きく揺らぐと、
次に私の目に映ったのは
真っ白な天井と
今まで見たことのないような
妖艶で艶っぽく甘い顔をしている
先輩だけだった。
紫「ベッド、行こっか」
あぁ、終わったと思った。
こんな声で囁かれたら、
こんな顔で誘われたら。
それを断れるほどの余裕を
生憎私は持ち合わせていない。
何の抵抗もなく運ばれたベッドの上に
優しく下ろされて
白いシーツに沈んでいく。
目を瞑って下唇を噛み、
必死に耐えるしか無かった。
怖くて言えなかったんだ。
見捨てられる気がして、
幻滅される気がして。
そんな私を見て先輩も察したのだろう。
私からゆっくり離れると
恐る恐る私に問いかけてきた。
紫「もしかして、Aちゃん初めてだったりする…？」
自分の目が大きく見開くのを感じた。
何も言い返せなかった。
だって、だって。
こんな気持ちを知ったのも、
こんな風に誰かに触れられることも。
今まで大した恋愛を
してこなかった私だから。
何もかも初めてなんだよ。
目まぐるしい速さで
経験したことない感情が襲ってきて
私それだけでいっぱいいっぱいで
余裕なんて一欠片もないんだよ。
私の頬に手を添え
困った顔をする先輩の頬に
今度は私の手が触れる。
「……やめないで」
それは酷く震えていて
頼りなく小さな掠れた声だった。
紫「Aちゃん？」
「……お願い、やめないで」
優しくて心地良い
触れるだけのキスが降ってくると
すぐ近くで先輩の声がする。
紫「怖かったりしたらちゃんと言ってよ」
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みう(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます^^今までの作品も読んでくださりとても嬉しいです、そして温かいお言葉の数々も嬉しい限りです(；；)これからも是非お付き合い頂けると幸いです。今作もご愛読ありがとうございました！ (2020年10月23日 23時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 完結おめでとうございます！みうさんの作品読んでます、いつも切ない感じで恋愛ってそんなに上手くはいかないもの、人の気持ちってそんなに簡単にいかないものって現実を見せられてる気がします。いつも素敵なお話ありがとうございます！また新作も楽しみにしてます！ (2020年10月23日 22時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年9月16日 17時
