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翔「お二人、並びに御両家の皆さま。
本日は誠におめでとうございます。
ただいまご紹介に預かりました、櫻井翔と申します。
僕は大学時代に二人の同級生でして、
新郎とは、大学はもとよりそれ以前から、…」
友人代表のスピーチは、彼だった。
うっすら予想はできていたのに
堂々と話し始めた彼を見るだけで
相も変わらず妙に身体が強張ってしまう。
色めき立った会場を気にする様子もなく
本当に楽しそうに話を進める彼は
客観的に、本当に、かっこよかった。
ビジュアルは一般人の比じゃないし
昔から変わらず話も上手。
…別に、私じゃなくたって思うことでしょう。
翔「…その間僕らは毎日のように、
二人の愛を見せつけられていたわけですけれども。笑
毎日が本当に、楽しかったんですよねえ…。
すべてのことが、最高級に。
あの頃の思い出は鮮やかに、今でも心に残っています。」
笑顔で数多の思い出を語る貴方は
当然私のことなんて一度も見ることはないけれど。
ねえ。
その"毎日"に、
"すべてのこと"に、
"あの頃の思い出"に、
私の記憶は少しくらい残ってる？
…なんて。馬鹿みたいなこと、考えた。
こんな未練がましいこと、思いたくもなかった。
翔「…えー最後になりますが、
実は、2人を想って曲を作りました。
二次会でひっそりと流れることを想定した小さなものではありますが、
二人のスライドショーとともに、お楽しみいただきたいと思います。」
暗くなった会場に、カノンの前奏が流れ始めて
由莉と将也くんの写真がスクリーンに映し出される。
数々の写真を見て、思った。
二人の笑顔を見ていて、気づいた。
・
♪ これから二人で いくつも歳を重ねて
いつかあの空の星となる日まで
今日のこの
溢れるばかりの愛 互いの想いを
・
彼が書き上げたんだろう詞を見て、わかった。
彼と私には初めから、
由莉たちと同じ約束を交わすなんて未来
少しだって見えていなかったんだ。
漠然とそれを夢見た瞬間もあった。
だけどそれすら、嘘になってしまった
可能性なんて、全くもって見出すことはできない。
一度は受け入れた現実を
改めて思い知らされたの。
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らびりんす(プロフ) - 柚さん» はじめまして！ありがとうございます、嬉しいです(^^) (2017年5月9日 12時) (
レス) id: f1ca372844 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - はじめまして。このお話のファンです！これからも楽しみにしています(*^-^*) (2017年5月9日 3時) (レス) id: 4a5934561b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽 | 作成日時：2017年3月27日 8時
