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あの日からともちゃんと朝会うことは無くなった。
お姉さんも見かけないし、もしかしたら引っ越しちゃったのかな、なんて。
朝、ともちゃんに会えないと寂しい。
ともちゃんの腕をぎゅっとして、ともちゃんに鬱陶しいって言われないと元気出ない。
会いたいよ、ともちゃん
「A、最近ともちゃんはどうしたの?全然話し聞かないけど」
今日は学校どうだった?なんていつもの質問に、別にと答えるとそう聞かれる。
『嫌われ、ちゃったのかも』
「ともちゃんに?」
『....お母さん、もし、大好きな女の子が、その...男の子、だったらどうする?』
「え?」
うーん、と少し間が空いて、お母さんはとても穏やかな表情でいう。
「どうもしないかな」
『どうも、しないの?』
「あのね、性別って男か女かだけじゃないの。もっともっと色んな人がいるの。
だから、お母さんは身体が男か女かなんてちっぽけなことどうでもいいわ。
お母さんは、もしパパが女の人でも好きになっている自信があるのよ。
だって、大好きだもの」
『でも、怖い。ともちゃんのこと大好きなのに、怖いの』
「大好きだから、怖いのよ」
大好き"だから"?
「そんなに焦らなくても良いんじゃない?大切な人なんでしょう?」
『うん。大切なの。一緒に居て落ち着くの、ともちゃんが初めてなんだ』
性別なんて関係ない。
ともちゃんはともちゃんだもん。
男の子だって、女の子だって、ともちゃんはきっと私を落ち着かせてくれる。
鬱陶しいっていいながら無理矢理突き放したりしないで笑ってくれる。
私が困ってたら手を引いて助けてくれる。
ともちゃんは、私の大好きなともちゃんだもん。
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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月25日 19時