かっこいい未来の私へ(紫) ページ16
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(久しぶり〜!進路調査書出した?)
(出した出した!私は変わらず、かな?)
(あー英語強いところ行きたいって言ってたもんね)
(留学したいしねー!Aは?)
久しぶりの学校。3年になった私はただでさえ不登校気味で出席日数が足りないにも関わらず、この雰囲気に耐えられずちょこちょこ休んでは憂鬱な気持ちを募らせていた。
将来やりたいことなんてまだ何もわからないし、どこに進学したいかなんて分からない。
...ってか今の私が行ける学校なんてあるのかな?
『...あー、まあなんとなく?』
(だよねー、3年になってもまだ決まってなかったらやばいよね)
嗚呼今日も駄目だ。
『ごめん、私ちょっと体調悪いから保健室行くわ』
逃げていることなんて私が一番分かっている。
この先の長い未来への漠然とした不安はまるで真っ黒なブラックホールに飲み込まれるような心地がする。
『濱田先生』
「よ、来たな」
関西弁が特徴的な保健室の先生。自分も昔ヤンチャしていたからと生徒に甘いところが人気。
『....はー、もうだめかも。卒業出来ないかも』
「どしたん?濱田が聞いたるわ」
キャスター付きの椅子で私が座るベッドの方へ来る。
『いや、さ、進路が決まらなくて』
「3年生やもんな。進路はみんな悩むって」
『でも周りの子は将来やりたいことが決まってるって』
「周りと比べてどうすんねん!その子がお前の人生生きるわけちゃうやんか。お前の人生はお前だけのもんやろ?」
『でも、進路は決めなきゃいけないじゃん』
そういうと、せやなあ、と背もたれに背中を預ける。
「じゃあさ、想像してみようや。将来どんな大人になりたい?」
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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月25日 19時