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『どんな大人?』
「そ!そんでそうなるために今必要なことを考えんねん。
ちなみに!俺は!超べっぴんさんな奥さんと、奥さんにの超可愛い子供と暮らしたいです!」
ピーンと挙手をしてちょっとふざけたように言う。
「せやから今は養えるためのお金貯めなあかんやろ?...その前に彼女作らなあかんわ」
『ふふ、彼女居ないんだ笑』
「うっさいわ!んで、Aは?」
『私は....』
将来、将来....
真っ黒なブラックホールの先にある自分の姿。何してる?どんな人になってる?
『んー分かんないや。でもかっこいい大人がいいな』
「おーええやん!そしたら今はかっこいい大人になるために自分が自分のことをかっこいいと思える行動をせなあかんな!どんなことがかっこええの?」
かっこいい大人....んー
『社交的で、頭が良くて、努力...できるひと?』
今の私に足りないもの全て持ってるひと。
「じゃあ、今Aにできることはその理想に近づけるような学校に進学するために努力の第一歩を踏み出すことやな」
『出来るかな、こんな私に。ってか、今からで間に合うのかな...』
「ええか、A。タイムマシンが開発されて過去に行けない限りは今が一番若いんや。せやから今が一番時間がある。間に合うよ。絶対」
真剣な顔でそういう先生の言葉はなぜかとても説得力があって。そうか、先生もヤンキーだった所から努力して今の先生になったって言ってたもんな。
『...頑張ってみようかな』
「ちょっとずつでええねん。今日やってさ、学校ちゃんと来たんやろ?頑張ってるやん、かっこええよ!」
そう言って笑ってくれた先生。いつのまにかちょっと心が軽くなった気がする。
保健室を出たあと、進路調査書には"かっこいい大人になれる場所に進学"と書いて提出した。
きっと担任に呼び出されるだろうけどまあいいや。進路調査書を出せた私、かっこいいもん。
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作者名:あんまん | 作成日時:2020年10月25日 19時