雫 *shizuku* -Kazunari- 第２章【8/24おしらせ更新】 (ページ16)

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『…明日……』

私の仕事はお日柄に左右されるから、定休ではない。

明日は……

休みを取っていた。

こんな偶然があるのか…って自分でも驚いてるけど、

その事実に間違いはなくて。

“私も明日、仕事お休みです”

すぐにそう返信すると、間髪入れずに既読がつく。

そして

“じゃあマンションまで迎えに行くから”

言い切るようなメッセージに息が止まりそうになった。

迎えに、って…

それは、つまり…

“多分２時過ぎになると思うけど、準備しといて”

戸惑っている私をよそに次々と流れてくる言葉たちに翻弄される。

だけど、答えを悩んでいる暇なんてない。

高鳴る鼓動を落ち着かせるように深呼吸をして、

“分かりました”と短く返事をした。

「お待たせしました」

店員さんの運んできたパスタがテーブルの上で湯気をあげる。

さっきまではペコペコに空いていたお腹も、

彼とのやり取りに影響されたのか全く空腹感を感じない。

『……明日、か…』

帰ったら急いで準備しなきゃな。

日差しの強い青空を見上げてふぅ、とひと息吐き、

フォークを手にとった。

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