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「前回も気になってたんだけど、学校で、注意されないの?」

喋りにくいから敬語はナシで、と言われ、普通に訊ねる。

「何を?」
「パーマとか茶色い髪とか。」

彼が通う学校は、誰でも名前を知っている私立の名門校だ。
校則だってそれなりに厳しいはずだけど。

「や〜、特には。」
「ほんとに?」
「うん、たまに先生から、『いい加減にしろよ』とは言われるけど。」
「言われたらどうするの?」
「は〜い!って、元気に返事して、にっこり笑っておしまい。」

そう言って、鏡の中でにっこり微笑んで見せた。

、、、この子は。

「斎藤くんさあ。」
「はい?」
「末っ子でしょ?」
「、、?うん。何でわかるの?」

さっきまでの得意げな顔を引っ込めて、キョトンとした顔で鏡越しに見上げる。

「判るよ。うちの弟そっくり。返事だけ良くて、絶対言うこと聞かない。」

2つ年下の弟を思い浮かべる。
末っ子特有の、のびのびと我が道を行く感じが、良く似ていた。

「え〜、そんなことないよ〜。ちゃんと言うこと聞きますよ。」
「い〜や、そんなことある。私には判る。」
「ええ〜、そんなことないのになあ。」


「あ!そういえばさ、この前アレ食べたよ!
知ってます?新作のアイス!!」

不本意そうにモゴモゴ言っていたかと思えば、あっという間に次の話題へ。

この自由さは、まさしく末っ子。
けど、それだけじゃない。

時折見せるいたずらっぽい顔も含めて、
どこか憎めないのは、彼の特性もあるんだろう。

校則違反の注意をサラリと躱しても決して怒られる事なく、苦笑いする先生たちを残して立ち去る姿が容易に想像できた。

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星宵(プロフ) - そらさん» はじめまして。嬉しい!ありがとうございます。本質は変わらないと思うけど、今みたいに責任ある立場ではない分、学生時代のギタボ氏は、より無邪気で感情に素直だといいなぁと思いながら書いてます。これからもよろしくお願いいたします。 (2020年10月24日 11時) (レス) id: 5d266fa98e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - はじめまして。無邪気でかわいくて、すごく癒されてます(^^)ひっそり更新楽しみにしてます…無理なさらず(^^) (2020年10月21日 21時) (レス) id: 70b1605356 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星宵 | 作成日時:2020年10月13日 12時

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