9話 ページ9
「ごめん、世一」
「なんっ……で……」
酷く傷ついた顔をする世一とは違いカイザーは勝ち誇ったように私の手を握りしめて微笑んでいる
【式場はどこにする?】
「え?ごめん、早くて聞き取れなかった」
「Aさん考え直そ?
コイツ本当に性悪だから、俺の方が【見苦しいぞ世一】……」
【元はと言えばお前の起こしたことが原因だろ
お前のやった事はAの信用を無くすには十分すぎた行為だった
恨むなら数年前の自分をクソ恨め
さて、俺らの家に帰ろうか】
ペラペラと世一に何か言っていたカイザーは私の肩を抱くと私に向けてゆっくりした英語を話して歩き出す
不意に立ち尽くしていた世一を振り返って見てみる
闇の奥深く、深淵のように沈んでいる瞳と目が合いゾクリと嫌な気配を感じた瞬間、顔をカイザーの手によって前に戻される
【恋人ができたというのに直ぐに他の男を気にかけるのはいただけないな
それに世一もクソ諦めが悪い】
「あの、カイザーくん」
口が悪くなった?
さっきから「クソ」って言葉がところどころ混じって驚いた。コッチが本性だったりする??
名前を呼んだことによりこっちを見たカイザーだったが何も話さない私に首を傾げつつも口に軽くキスを落とす
「え、」
【なんだ、キス待ちかと思ったが違ったのか
それともそれ以上のことがお望みか?】
「それ以上?……っ!馬鹿!!」
【夜でもわかるくらい顔が真っ赤だな
その顔を見せるのは俺だけにしろよ?他に見せるには惜しい、クソそそる】
拝啓、お父さん、お母さん
私、とんでもない男性と交際を初めてしまったようです
〜(とりあえず)完〜
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シーズ - 面白くて思わず、一気に読んでしまいました!もしも、世一を選んでいたときのルートもみてみたいです (2023年3月8日 21時) (レス) id: 7542279af1 (このIDを非表示/違反報告)
くちぱっち - めっちゃ好きです!カイザーと世一の話大好きです! (2023年3月5日 12時) (レス) @page7 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水菜目 | 作成日時:2023年3月3日 22時