ヨナ姫の身代わり

2話 ページ2

「Aーこっちとこっち、どっちが合うかしら…」

赤い髪を揺らしつつ隣にいる女に問いかけるこの国の姫

「どちらもお似合いですよ」

ニコリと微笑み何着もの洋服を持っている姫と瓜二つの女


「んー…なんかダメ
ねぇ、あの更紗何処にやったのかしら」


Aに洋服を渡すと出口に走っていく途中この国の王、ヨナ姫の父が会いに来た


「あっ、お父様式典は？」


王の登場によりヨナ姫以外は頭を下げる


「見ての通り終わったよ」

「うそっごめんなさい…私……」


まゆを下げるヨナ姫に対し王は笑った

「まぁ良い、どの道形式的なもの、お前は人前に出ずいいさ
それにAもいるからな」


｢はい」


ヨナ姫の後ろにいたAは隣に移動する


「ねぇ、父上私の髪変じゃない？」


｢？変じゃないともヨナの髪はどんな宝石よりも……」


そう言っている王の言葉を遮りヨナ姫は話し出す


「うん、顔はね
私もそこそこ可愛く生まれたと思うの、でもねぇこの髪…どうしてこう赤毛でくせっ毛なのかしら…
ムキー!!ちっともまとまらない!!」


じたばたするヨナ姫を見つつ


「そんなことないだろ？なっハク、A」


「えぇ、イル陛下」


「姫様の御髪が変などと誰が申しましょうか
あえて申し上げるなら脳みそが変ですね」


「おだまり下僕」


ものを投げるヨナ姫のものをすべてキャッチするハク


「まぁまぁ…お二人共……
私は好きですよヨナ姫様の髪」


サラサラですし
そう言いながらヨナ姫の髪を触るA


｢Aはいいわね、綺麗な紫…オマケにストレート……」


「あはは……髪色は嬉しいものではないですよ……」


悲しそうな顔をするA
その顔をみたヨナ姫は(やってしまった)と少し後悔した


「ですが、ヨナ姫に褒めていただけるのは嬉しいものです」


「!!感謝しなさい!!」


ふふっと笑うヨナ姫につられAも笑っていると



「俺もAの髪色は好きだぞ」


「!!ひぇ……あっ、ヨナ姫様スウォン様着いたみたいですよ足音がします!!行きましょう!!!!」


急にハクに褒められ変な声を出し赤面したAはヨナ姫の手を引きバタバタと部屋を後にした


「Aは……しかし、だからヨナは髪を気にしていたのか
なぜ今更…」


「乙女心ってやつでは？」

「よく分からんな」

「俺もですよ」

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