好きな人に集る男を嫌いになるのは人の性 四 ページ45
「土方さん変な言い方しないでください。食べられるだけで食べたくはないです」
《いやハッキリ言ったよこの人!ていうか食べられるの!?あの土方スペシャル食べられるの!?》
近藤と新八はAを若干引いた目で見る。
その視線を受けてAは『違うんだ!私は常識人枠なんだ!』と心の中で叫んだ。
Aが嫌がっているのを見て北大路が笑う。
「ククッ、嫌がられてるじゃないか。Aさん、俺の隣で一緒に食べましょう」
「なに言ってんだテメー。Aは俺の横で食べろ」
「いやどっちにしろ食べませんって」
北大路がAを誘い出して土方は青筋を浮かべていた。
「チッ、イライラするな。やっぱタバコねェとダメだわ。灰皿あるか」
土方が言葉を発した瞬間、北大路が刀を握りそれに合わせて土方も刀に手を添え
ガン!と机に踏み込んで二人の刀がぶつかった。
「Aさんが食べる前でタバコなんぞ吸わせるか」
「Aは俺の横で茶一服するだけらしいから気にするな」
「いやだから食べないしお茶も飲まないって」
Aのツッコミも虚しく、北大路が机の上の小皿を取った。
「ほら、灰皿だ!!」
「!」
小皿を土方の的であるデカい皿に向けて投げつけ、土方がすぐさまそれを片手で受け止めた。
しかしその隙に北大路が突きを放つ。
土方は自分の皿を守って足で北大路の突きを受け、外に吹っ飛ばされた。
地面を転がり上手く勢いを逃がして体勢を整える。
「ほう……想像以上の反応だ」
北大路は刀を持って縁側に歩く。
土方が持つのは並外れた身体能力と反射神経、そして多くの死戦をくぐり抜け培った勘と度胸である。
その実践剣術は並大抵の剣客では及ばないものだろう。
だが、と北大路が口を開いた。
「そんな戦い方が通用するのは三流まで。一流……いや、その先の神域にいるAさんと何度も打ち合ってきた俺には通用せん」
「それなら俺も何度だってアイツと剣を交えてきたぜ。今じゃ俺たちの正式な訓練指導員だからな」
その発言に北大路が眉を寄せた。
「その立ち位置はもともと我ら柳生一門が持っていたもの……取り返させてもらうぞ」
「ぬかしやがれ!」
土方が踏み込み大振りで斬り掛かるが、北大路は簡単にそれを跳び避けた。
「貴様の手は読めているぞ。あえて大技で隙を作り敵を誘い、打ち込んできたところを持ち前の勘でとらえてさばく」
北大路は土方の背後に周り頭上から刀を振り上げた。
好きな人に集る男を嫌いになるのは人の性 五→←好きな人に集る男を嫌いになるのは人の性 三
117人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時