チンパンジーは馬鹿だが器用だから油断はするな 三 ページ37
「何かイラつくからツラごとムチャクチャにしてやらァ」
「恨み強いねー。けどそれじゃ俺たちには勝てねーよ。皿割らねーとさ。俺の皿がどこにあるか分かる?おたく」
沖田は返答せず、強い一閃を放って南戸を刀で打ち上げた。
(なっ……)
「オイよく聞け。俺ァ、皿割りに来たんじゃねェ」
口から血を吐く南戸の下で沖田は刀を構える。
「
にっこり笑って、目の前に落ちて来た南戸を容赦なく何撃も叩きつけた。
ドシャと音を立てて南戸が地面に倒れる。
「あと、二度とAの名呼ぶんじゃねェ」
沖田は冷めた目で彼を見下ろした。
普段は敬称をつけているはずの彼女を自然と呼び捨てにしてしまっていた。
(ば、バカな。この男……バカ強ェェェ!!)
沖田は南戸の頭を掴んで持ち上げる。
南戸は首の後ろでネックレスに皿を巻きつけていた。
それを見て沖田がニヤリと笑う。
「ほーん。なるほど、首飾りの裏に隠してたわけかい。ツラと皿は傷つけねーように気をつけて殴らねーとな」
(しかもこいつドSだ!!)
「うおらァァ田舎剣法ナメんなァァ!!」
刀を南戸へ振おうとするが、後ろから神楽が飛んできて頭にぶつかり沖田は吹っ飛ばされた。
「んごぉぉぉ!!!」
「南戸、何をしている?お前は女にばかりかまけて修行を怠るからあのような者に遅れを取る。怠けを知られたらAさんにまたしごかれるぞ」
西野が歩いて来て南戸の皿の心配をする。
「ハァハァ、西野あのガキやべーぞ。東城さん、北大路レベル……いや、若まで行くかもしれねェ」
「ほう、それは楽しみだ」
吹っ飛ばされた神楽は体を起こすが、冷や汗をかき手首を押さえて座り込んでいた。
「何してんだァてめーは。あんなのにやられるタマかィおい」
「う……うるさいアル。なんか調子悪いネ。手がブラブラするヨ」
「オイお前それ」
「我らの技を受けて無事で済むわけがあるまい。皿を庇うあまり利き腕を失ったか。もはや戦うのは困難、さっさと皿を渡せ」
「反対に戻せば治るんじゃ」
「あっ、ちょ、あんまいじくんない方が」
西野を無視して沖田は神楽の手を反対側に押したが、ボキッと嫌な音が鳴って。
「ぎゃああああ!!」
「あれ?方向間違ったか?前骨折したAさんにやったら治ったんだが……まあ、めちゃくちゃ怒られたけど」
沖田は不思議そうにして頭に手を当てた。
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時