【銀魂】シスコンな兄の尻拭い９ 【柳生篇】

姉離れも妹離れもしてやるものか　二 ページ14

「戦お前いつも怖いほどシスコンなのにこういう時は冷静なんだな。大事な妹の純潔がかかってんだぞ、もっと妹に執着しろよ」
「僕に言ってることと逆だぞオイ！！」

　銀時は新八にはシスコンも大概にしろと言っておきながら、Aに関してはシスコンを発揮しろと反対のことを言っていた
　新八が理不尽だとでもいうようにツッコむ

「仕方ねェ。戦がやらねーなら俺がカツ丼、叩きつけてきてやらァ」
「銀ちゃん私もやるアル！！顔、半壊させてやるネ！」
「……本来なら止めるべきなんでしょうけど、僕も参加させてもらいますよ」

　銀時に続いて神楽も同調し、新八までもが賛同して戦は驚く

「新八ィ！？どうしたオイ！戻って来い！！大して目立たない常識人の世界に戻って来い！！」
「常識人を貶してんのかアンタ！！」

　新八がツッコミ騒いでいる屋根の下、近藤と松平が縁側を歩いていた。

「なァんか上が騒がしくないか近藤」
「とっつぁん、騒がしいのは俺の心だよ……とっつぁんコレ純然たるゴリラだよ」

　近藤は見合い写真を見て浮かない顔をする。
　今日は彼の見合いで顔合わせの日だった。
　いよいよもって猩猩星の王女、純正のゴリラとご対面するワケである。

　猩猩星と地球は外交で衝突を繰り返してばかりいて、その現状を改善するために近藤が選ばれた。
　いわゆる政略結婚である。

「もともと猩猩星側が王子とAの縁談を持ち込んできやがってな。幕府と俺が全力で揉み消したんだよ」
「え！？そんなことなってたの！？Aさんそれ知ってんの？」
「いや。アイツには情報の一欠片も耳に入らねェように徹底してある。なんせ相手はゴリラだからな。ウチの可愛いAを獣と縁結びさせるわけにはいかねェ。だから頼むぜ近藤、お前に地球の未来が掛かってる」
「俺とAさんの扱いの差 激しくない！？」

　松平だけでなく幕府にも、ナチュラルにAの身代わりにされていて近藤は汗を流した。

「写真は気にすんな。思ってるより3倍美人と思って間違いねェ」

　松平はそういい見合い相手が待つ部屋に入った。

　そこには二匹のゴリラがいた
　一匹は父親らしきゴリラで、もう片方の見合い相手の王女は天井に頭がつくくらいのデカいゴリラだった

(思ったより3倍でかいゴリラなんだけどォォ！！)

　近藤たちのいる部屋の前を九兵衛とお妙が横切った

「今ゴリラがいたような気が」

　近藤は背を向けていて彼だと気づいていないがお妙は不思議そうにした

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