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兄妹離れは なかなかできないもの 四 ページ6

「あ゛ー!?チビ助が何ナマ言ってんだ」
「オイやめろ」

 隊士たちが喧嘩しようとするが、土方が制止して席から立つ

「これ以上店を騒がすな。引き上げるぞ」

 それから、と彼は笠の人物へ目を向けた

「ガキんちょ、お前も来い。お前、未成年だろ。こんな店に来て良いと思ってんのか」
「オイ貴様。今なんて言った?」
「!」

 土方は目の前の人物の行動に目を見開く。

「僕は」

 笠が上にあげられ、隊士たちはそちらに視線を向けてしまう。

 その隙に彼が動き、全員が伸された。

 男の抜かれた刀は土方の首を捉えたが、土方は間一髪、刀でそれを防いだ。
 しかし抜刀も間に合わないままで、土方の刀の刃先には鞘が繋がっている。

『!』

 笠の人物の顔が見えて、Aと戦は目を見開いた。
 茶色い瞳を持ち、左目に黒い眼帯をしているその人は二人の見知った人だったからである。

 彼は口を開いた。

「ガキんちょなんかじゃない」
 
 二人の刀が押し合い、金切り音がしていた。
 土方はタバコを咥えながらも、表情は余裕とは程遠い。

「僕は……柳生九兵衛だ」
「きゅ、九ちゃん!?」

 お妙は九兵衛を見て驚いていた。

 ギリ、と音がして土方の刀にヒビが入る。

「ッ!」

 刀が折られてしまうと悟り土方は後ろに飛び退いた。
 しかしその瞬間でさえも間を与えぬよう九兵衛が刀を振るった。

 ガキン!と甲高い衝突音が鳴り響く。

「!」

 九兵衛は目を見開いた。
 自分の斬撃を防いだのは土方ではなく、Aだったからである。

 彼女は二人の間に割って入り、小刀で九兵衛の刀を受け止めている。

 九兵衛の表情が驚きから柔らかいものになり、すぐにそれもなくなる。

「君もこういう所に来るんだね。AA」

 九兵衛はフッと笑って目の前に対峙する彼女を見つめた。

「……知り合いか」
「そんなところですね」

 後ろにいた土方に問われ、Aは濁して答えた。
 九兵衛はAから刀で押される圧を感じて、刀を引いて後ろに下がる。

「相変わらず強いね君」
「貴方も……前より一層、磨きが掛かっていますね」
「!……貴方にそう言ってもらえるなんて、ちょっと意外だな」

 彼は少し驚いたように言い、Aを見つめる。

「それにしても。会わない間にまた綺麗になったね、A」
「なッ!?」
『はァ!!?』

 九兵衛は笑っていうが、口説くような発言にAは驚き顔を赤くし、土方や他の者たちは驚いて声を上げた。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください!  (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時

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