恒道館メンバーは、門下生に一人やべー奴がいることを知っている 四 ページ23
「俺も我ァ通しに来ただけだ」
戦は敵を蹴り飛ばして土方たちに続けた。
「お妙だけじゃなくてAも巻き込まれてんだ。動く人間は五万といるぜ、近藤さん」
「……それもそうだな」
近藤は頭を掻いてため息をつく。
新八が背を向けながら小さく銀時の名を呼んだ。
「僕はねェ……もうシスコンと呼ばれてもいいです。僕は姉上が大好きですよ」
「でもね……姉上が心底惚れて連れてきた男なら、万年金欠の胡散臭い男でもゴリラのストーカーでも、マヨラーでもドSでもマダオでも痔でも」
「姉上が幸せになれるなら誰だって構やしないんです。例えそれが……」
――僕も惚れてしまった、女の人だったとしても
新八がAに目を移すが、彼女は彼の意図に気づかず不思議そうに首をかしげた。
相変わらず自分のことに関しては少し鈍いAに、新八は乾いた笑みをこぼした。
「送り出す覚悟はもうできてるんだ。泣きながら赤飯炊く覚悟はもうできてるんだ」
新八は「でも」と言葉を続ける。
「泣いてる姉上を見送るなんてマネは、まっぴら御免こうむります」
雨に打たれて新八の頭から水が伝うなか、彼の目から大量の涙があふれていた。
そんな彼の横を、銀時と神楽とAが通り過ぎて前に出る。
「銀ちゃん、A。アネゴがホントにあのチビ助に惚れてたらどうなるネ。私たち完全に悪役アル」
「悪役にゃ慣れてるだろ。人の邪魔するのもな」
「新八君、覚えておいて。私たちは正義の味方じゃないんだ」
「俺らは、てめーの味方だ」
銀時は木刀に手を添え、神楽は番傘を差し、Aは短刀を出した。
後ろから足音がして、土方が新八の横を通り過ぎる。
「言っておくが俺は味方じゃねェぞ。たまたま喧嘩相手が一緒なだけだ」
土方に続いて沖田が通り、
「ベタじゃない?ベジータ気取りでさァ。あのまま、さり気なく仲間になるつもりだぜ。気をつけな」
彼の後に戦が前に行き、新八に背を向けてに立ち止まる。
「バカヤロー。土方はどっちかって言うとピッコロだ。なんかピッコロな雰囲気が漂ってる。ピッコロの匂いがする。臭ェ」
「おめー最後のそれ悪口だろオイ」
土方に斬るぞと脅されつつ、戦は新八の方へ振り向いた。
「キョーダイってのは、どーにも簡単にいかねェもんだな」
苦笑いする彼に新八は目を見開いた。
新八はグスッと涙を流すが、後から近藤に肩を叩かれ「
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時