優しい灯火でも強火すぎると恐怖を与える 一 ページ35
銀時達は銀行を出て、星海坊主を連れてビルの四階のファミレスに来ていた。
星海坊主は帽子とゴーグルを外しており、バーコード状態の頭頂部と鼻下の髭、メガネ姿のおじさんになっている。
「星海坊主ぅぅ!?星海坊主って、神楽ちゃんのお父さんが!?」
新八が驚いて声を上げる横で銀時は「なにそれ妖怪?」と尋ねた。
星海坊主について新八が説明するも、「うすらいの掃除屋」などとボケて星海坊主がキレていた。
「落ち着くネ、ウスラー」
神楽は父親の擁護をするでもなく便乗してネタに乗っかる。
「紹介するネ。こっちのダメな眼鏡が新八アル」
「ダメって何?」
神楽の紹介に新八が一言入れて
「こっちのダメなモジャモジャが銀ちゃんアル」
「いやだからダメって何?」
銀時も紹介の仕方にツッコむ。
「こっちの綺麗な人はAアル。優しくて真面目で、ダメな二人を私と一緒に支えてる人ネ」
「な、なんか私だけ凄く誇張されてない?」
あまりにも持ち上げられすぎてAは苦笑いする。
星海坊主は、銀時たちが神楽の夜兎の力を悪用しようとしてるのではないかと言い、銀時が煽り返せば言い合いになってしまって。
「とにかく!てめーのような奴にウチの娘は任せていられねェ!神楽ちゃんは俺が連れて帰るからな!!」
「なーに勝手に決めてんだァァ!!」
神楽はキレて星海坊主を後ろから飛び蹴りする。
「ぐはっ!? 神楽ちゃん何すんの!? ドメスティックバイオレンス!?」
「今まで家庭ほったらかして好き勝手やってたパピーに今さら干渉されたくないネ。私勝手に地球に来た。帰るのも勝手にするヨ」
「パピーは渡り鳥、巣なんて必要ないネ。私もそう。止まり木があれば充分アル」
「じゃあ何でこの止まり木にこだわる?」
「私は好きな木に止まって、好きに飛ぶネ」
「……ガキが、ナマ言ってんじゃねーぞ」
「ハゲが。いつまでもガキだと思ってんじゃないネ」
二人とも笑みを浮かべるものの、表情はどちらも深い怒りを携えていて。
空気がピリついて、新八は冷や汗を流す。
「アレ……この感じ」
「ちょ、オイ……」
『ほぁちゃあああ!!』
銀時が声をかけようとした瞬間、神楽と星海坊主はガラス窓を割って四階から外に飛び出ていった。
「神楽ちゃん!?」
新八と銀時が慌てて二人を目線で追えば、二人は下階のエントランスの屋根の上で拳を交えていた。
「……」
今まで動じず黙っていたAはスッと席を立った。
優しい灯火でも強火すぎると恐怖を与える 二→←美人でも拳はゴリラだったりするのもいるから舐めちゃいけない 三 終
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時