記憶喪失なんてモンは治さなくても都合よく教えればいいのさ 十一 終 ページ29
しかし流石にエンジンをつけた宇宙船は抑えきれないのか、後ろにガガガッと押されていく。
「っ、あ……」
Aは止めきれず、そのまま後ろに押し込まれ追突に巻き込まれてしまった。
屋根が崩れて煙が立ち込める。
「A!!」
銀時たちが慌てて万事屋の方に上がれば、見慣れたモジャモジャ頭がいた。
「アッハッハッハッ、すみませ〜ん。友達の家ば行こーとしちょったら手元狂ってしもーたきに。アッハッハッハッ」
「アッハッハッハッ、じゃねーよ!! てめーA巻き込まれたじゃねーか、どーしてくれんだオイ!」
銀時は追突してきた船の船長、坂本の胸ぐらを掴んで彼の体を前後に揺らす。
「お? 金時じゃなかかー。そういやAが止めてくれたき、アイツは無事がか?」
坂本は頭に手を当てて「やってしまったわい」と言いながら、船の先頭部へ目を向ける。
煙の中から、一人女が出てきて。
「ケホケホッ……まったく、笑い事じゃないよ坂本君」
『!』
Aは咳き込みながら目の前の煙を手で払い、呆れていった。
彼女の言葉に銀時や新八、神楽は驚いていて。
「A、お前記憶……」
「あ……うん。いま頭打ったときに全部思い出したよ――ただいま。銀ちゃん、新八君、神楽ちゃん」
Aは自分の頭をさすって手を離すと、にっこり微笑んだ。
『A!』
「Aさん!」
三人は嬉しそうにしてAの元に駆け寄りギュッと抱きしめた。
「? おまんら何かあったがか?」
感極まっている銀時たちの状況についていけず、坂本は不思議そうに見ていた。
「それにしても、なんで記臆がないのにあんな無茶なことを……」
新八が宇宙船を止めに行ったAの行動を思い返して疑問を浮かべる。
「うーん、たぶんそれは……記憶がない状態でも『あそこは壊しちゃいけない大事な場所だ』って、感じたからじゃないかな」
Aは先ほどまで忘れてしまっていた、
――私にとってここは、そこまで大事な場所になったんだね。
口元に笑みを浮かべてギュッと三人の手を握った。
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時