人は見かけによらぬもの 一 ページ49
残りの話数を埋めるためにも短い話を置いておきます。
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「そういや最近、花粉マシになってきてねーか?」
万事屋銀ちゃんの居間で、銀時は社長机の椅子に座って言う。
花粉というのは、いわゆるただの花粉ではない。どこかの星の植物で、広範囲で花粉を撒き散らしているらしい。
発生源は、万事屋の隣に引っ越してきて花屋を営んでいる強面のヘドロさん家である。
しかし最近は花粉が以前よりマシになっていた。
「ホントですね。一週間前くらいからですよね……ヘドロさん何かあったんですかね」
「あ、それならたぶん私が相談したからだと思うよ」
「え」
新八は少し心配そうにするがAがその疑問に答えた。
すると銀時と新八、神楽が絶句する。
無理もない。ヘドロは内面は優しいが、いかつい鬼のような顔の横にツノが二本生えていて鋭い牙を持つ荼吉尼族である。
内面の優しさは頭に寄生している花に原因があるらしいが。
ともかく心は穏やかでも見た目が怖くてあまり近づいたり話しかける人はいないのである。
「前にヘドロさんの家に伺って、花粉が酷くて皆ちょっと困ってるから何とかできませんかーって言ってみたの。そしたら本人も悩んでたみたいで、ヘドロさんの話も聞いて二人でどうしようか考えてたんだ」
Aは最初からヘドロに臆することのなく接していた。
「え。アイツになんか攻撃されたりしなかったの?」
銀時が顔をひきつらせて聞けば、「ああー」とAは思い当たる節があるのか答えた。
「あったよ。たまたま歩いてた蟻を踏みそうになって鉈を投げられちゃって、最初はびっくりしたけど……ふふっ、一寸の虫にも五分の魂を地でいく感じだったね」
「いや、『ふふ』じゃねーよ!」
面白そうに笑っているAに銀時はツッコんだ。
「まあでも理由は納得できるから、びっくりはするけどそんなに怖くはなかったかな。何かヘドロさんは驚いてたけど」
「いや、そりゃそんな反応する人珍しいからだと思いますよ……」
新八は汗を浮かべて言った。
そのときに鉈を投げられてもAは平然とヘドロに笑顔で礼を言ったらしく、ヘドロは初めての反応でかなり驚いていた。
「でもまあ、悪い人ではないと思うからね。花粉の件もしっかり納得の行くまで話してくれたし」
Aはヘドロと相談していた時のことを思い出した。
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時