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慕ってくれる人の好意なんて当人には計り知れない 三 終 ページ42

神楽は浮かない顔のまま、窓の外を眺める。

(このままずっと四人一緒……そんなことは無理だなんて分かってる)

(きっといつか別れの時が来るのは分かってる。でも今は……まだ今は……)

「あー酷い目にあった。聞いてくれよ神楽ちゃん」
「……」

 星海坊主は言葉にしなくても伝わってくる神楽の寂しさをみて口をつぐんだ。

「おい、何だあれ」
「!」
「アレ人だ!あんなところに人がいるぞ!」

 乗客が窓の外を見て驚いて言った。
 神楽たちもそちらを見れば、新八がターミナルのハシゴをかなり高いところまで登っていた。
 警備スタッフに追いかけられながらも、出港している船に向かって叫んでいた。

「神楽ちゃーん!どこ行くんだァァ!!僕ら四人で揃って万事屋だろォ!!」

 彼は汗を浮かべて、必死で声を上げる。

「僕一人じゃあの銀さん(ばか)とAさん(おひとよし)は手に負えないよ! 帰るなよォ!まだ一緒に万事屋で働こうよ!!」

 神楽は新八のその言葉に目を見開いた。

「あの野郎なんてバカな真似」
「……ち……ぱち……新八ィ」

 窓に手をつけて、神楽は涙を溜めてグスッと鼻水をすする。

「新ぱ……」

『!!』

 神楽が彼の名を叫ぼうとした瞬間、船の外、下から触手が這い出てきて勢いよく窓ガラスを打ち破ってきた。
 それは船内に勢いよく雪崩れ込んでくる。

「パピー!」
「こいつァ」

 神楽が触手を掴み、甲高く耳障りな警報が鳴り響く。
 新八はハシゴに掴まりながら、船の様子を見て驚愕した。

「なっ……何じゃありゃああ!!」

 船は下からえいりあんに包まれていて今まさに取り込まれんとしているところだった。

「アレ?こっち来てない?うそ?こっち来てない?」

 船は轟音を立ててゆっくり新八達のいるターミナルに向かってきていた。

「ヤバイこっち来てない!?」
『あああ゛あ゛あ゛!!』

 焦りもむなしく宇宙船がターミナルに激突した。

ヒトを護る為の力 一→←慕ってくれる人の好意なんて当人には計り知れない 二



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時

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