中にはクーリングオフできなかったりする場合もあるから気をつけろ 二 ページ26
「きったねー木刀だな〜。それになんかカレー臭くない?」
質屋の男は銀時の木刀をルーペで見ながら渋い顔をした。
差し出した相手、神楽は横に定春を連れていて。
そっちなら買い取っても良いと言われる始末である。
「……じゃあ……こっちはどうアルか?」
神楽は少しためらいながら、懐からAの小刀を出した。
「! オイこりゃ『
質屋の男は小刀を見て驚いて声を大きく荒らげた。
「凄いものアルか!?」
「凄いなんてもんじゃ……いや、待てよ。違うな……本物の積星雷塵に刻まれた紋章とはまた違うものだな、コレは」
男はルーペで小刀の
「すまんがこれは買い取れんな。手放すのは惜しいが自分の知識に余る物だ。他を当たってくれ」
買取を断られ、神楽は何のことやらよく分からないが仕方ないと店を出た。
その後も懲りずにいくつか質屋を回る。
しかし言われるのは毎回同じようなことで
「くっさ! なんかこれカレー臭いよ!? それに洞爺湖って書いてあるし」
「オレはな、カレーは嫌いなんだよ。ハヤシライスは好きだけど」
「これは買い取れないけど〜、お嬢ちゃんは買い取りたいね〜」
洞爺湖は即断られ
「いやコレ……アンタなんでこんなモン持ってんのさね……」
「こりゃ欲しいけど……アンタがコレの持ち主なの? ちょっと俺の身には余るな」
「これ……ちょっと、そう簡単に売りに出して良いものじゃないと思うよ〜」
Aの小刀は質屋の者が全員、惜しみながらもどこか畏怖するように身を引いていた。
神楽は気になったのか、最初に訪れた質屋の男のところに戻ってきてAの小刀について聞いた。
「そのセキセイライジングって何アルか」
「積星雷塵だよ。のぼるな」
神楽の言い回しに突っ込んだ後、男はもう一度Aの小刀はを見せてもらって、積星雷塵という物について話し始めた。
「昔話でな、どんな武器にも勝る
男が言うには、『積星雷塵』という小刀はどんな武器相手にも刃こぼれを一切せず持ち主を守るといわれ、唯一、星喰に近い武器とされてるのだとか。
その刀は刀身に紫の線が入っているという珍しいものであり、Aの小刀にも同じものがあった。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時