死亡フラグに気をつけろ 一 ページ20
「死ね土方ァァァ!」
「部屋でバズーカ撃つなァァァ!!」
真選組屯所にドデカいバズーカ音が響いたかと思えば、強烈な衝撃音が続いて聞こえてきた。
Aの足で蹴り上げられた沖田のバズーカが天井を突き破って庭にドゴォンと落下する。
「ああ……部屋の修理代、天井の修理代……」
バズーカで破壊された部屋と、蹴り飛ばされたバズーカで打ち開けられた天井の穴を見て、山崎が涙目になっていた。
「まったくもー。沖田君また土方さんにイタズラしようとして……」
「いや、イタズラどころか殺そうとしてきてたぞコイツ」
バズーカで狙われた当人の土方はツッコみながらタバコに火をつけた。
「そんなんだと色んな人から恨み買って、沖田君そのうち誰かに刺されて死んじゃうよ」
「死にゃしませんよ。Aさんが護ってくれるし」
「人を便利な盾みたいに言うな」
反省の色を見せない沖田にAは溜め息をついて頭を抱えた。
「はあ……せっかくだし、これあげる」
Aは懐から安全祈願のピンクのお守りを出して沖田に手渡した。
「お守り?」
「そ。沖田君が至る所で騒ぎ起こす度に恨み買ってるし、不安で胃がキリキリするからお守り買ったの」
「どうしたんですかィ。ああ、もしかして生理で」
ガシッと音を立ててAが沖田の顔を掴んで言葉を制止させた
「いふぇですAふぁん(イテェですAさん)」
「今のは聞かなかったことにするよ」
Aはニコニコと笑っていたが顔に影が差し額に青筋が浮かんでいた。
彼女が手を離せば沖田は自分の頰をさすりながら、もらったお守りへ目を向ける
(にしても、お守りねェ……)
沖田は胸の内に温もりを抱え、それが溢れて少し口元が緩んでしまっていた
――
世の中にはフラグというモノが存在する
死を匂わせるセリフ、シチュエーションを指したものである
分かりやすい例で、悪い奴がイイ奴になるとアブないというモノがある
今までの悪行を悔い改め真っ当な道を歩み出した男
仕事帰りに柄にもなくケーキ屋なんぞに立ち寄り
(Aさん確かチョコ好きだったよな……)
想い人の好みのケーキを選ぶついでに上司や小うるさい仲間の分まで買っていったりなんかしていたら
いよいよ死は近い
沖田が珍しくもケーキを買って帰っていると街で通りがかった人物にぶつかった
ゴトッとケーキの箱を落としてしまうが、その上に赤い液体がポタポタと彼の体からこぼれ落ちた
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年5月27日 2時