やっぱり子供は大人にトキメいちゃうもの 五 ページ12
「あ、あれ?なんで……?」
Aが周りの状況に困惑していると、窓辺の方で笑い声が聞こえてきた。
そちらを見やれば、高杉が窓辺に腰掛けキセルをふかしていて開けた窓の夜空へと紫煙を吐き出していた。
少し距離を置いたところで桂が壁に寄りかかって、んまい棒を食べている。
「クク、ずいぶん派手な夢を見てたようだな。寝言で喘ぎ声を出す女は初めて見たぞ」
高杉は面白そうに笑っていて
「寝言で喘ぎ声って!?私そんなことなってたのっ?」
自分の知らぬ間に恥ずかしい事をしていたと思ってAは顔を赤くして焦る。
桂は高杉の発言に小さくため息をついた。
「落ち着けA。高杉のふざけた冗談だ……まあ、行為をしているのかと思うほど顔が赤くて息も荒く妖艶だったのは事実だが」
「いやどっちにしろダメじゃんっ!うあ゛ー……」
自分の知らぬ間に痴態を晒してしまっていてAは顔を手で覆って悶えていた。
「でもいったいどういう……私、寝た記憶はないんだけど……」
真下にある布団に視線をおろしてAは不思議そうに呟く。
「お前、銀時と坂本と戦に囲まれて、坂本に酒を飲まされてただろう」
「あ、ああー……」
桂に問われて坂本から酒を口移しされた事を思い出す。
「それでお前が酔って、銀時たちが襲いかけてたんだが……そこに転がってるバカ三人とお前が急に気絶するように爆睡し始めてな。俺と高杉で引き剥がして寝かせてやったんだ」
「へ、へえ……」
(わ、私だけ布団に寝かせて他三人は床に転がしてるんだ……)
Aは銀時達が雑に扱われていて苦笑いした。
「でも私、お酒には強い方だと思うんだけど」
「ああ。実際お前はこの中だと高杉より酒に強いだろう。だが……」
「坂本が用意していた酒の中に異星の酒があったみたいだぜ。そいつァ、
高杉が立ち上がり大量に並んだ酒瓶から、読めない文字がかかれたラベルの瓶を手に取って見せた。
そのお酒は地球のアルコールより強烈に人を酔わせるものだった。
「コイツの成分は星人のお前でも分解できなかったみてェだな」
「人を酔わせるものではあるようだが、アルコールなのかどうかすら怪しい」
「坂本君、相変わらず他の星から変なもの持ってくるんだから……」
「銀時たちがアレだけ泥酔しているのもこの酒が要因の一つだろう」
桂は床に転がって爆睡している銀時たちに呆れた視線を向けた。
やっぱり子供は大人にトキメいちゃうもの 六 終→←やっぱり子供は大人にトキメいちゃうもの 四
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年5月27日 2時