戦は惚れている 一 ページ19
「銀ちゃん……ありがとう」
Aは少し涙ぐみながらも微笑む
「やっぱり銀ちゃんは、私の太陽だよ」
真上にいる銀時の背中に手を伸ばし、グッと抱き寄せた
「――大好き」
「ッ!?」
間近で囁かれた言葉に銀時の胸が跳ね上がる
彼は一気に顔を紅潮させて、Aを見るが
「って……おい、Aさん?」
Aは目を閉じ綺麗な寝息を立てて眠っていた
天導衆と会うのに緊張と不安の心労が蓄積していたようで、それが飛散して深い眠りに落ちてしまったらしい
「……はぁ。人の気も知らねーで気持ちよさそーに寝やがってコノヤロー……」
銀時はため息をついてAの上から降り隣に寝転び、抱きしめながら彼も眠りについた
――
「ってなことがあったわけよ。やっぱアイツも悩んでるんだな」
銀時はファミレスで戦にAとの話をした。
「オイ待て」
銀時がパフェを食べる前で、戦は顔に影を差してプルプルと震えていた。
「お前それ、Aと寝たってことか……?」
「んあ?まあ……そうなるな」
「そうなるな、じゃねーよ!てめAが寝たあと別の部屋行けよ!なんで同じ布団で寝てんだよ!」
ドンと戦は思いっきり机を叩いて青筋を浮かべて突っ込んだ。
「うるせーなァ。ふつー好きな奴が布団に入って来て別の部屋に移動するような律儀な男いねーだろ。だいたいそこ俺の部屋だし。手ェ出さなかっただけ褒めてほしいわ」
「手ェ出さねーのは当たり前だわ!てめ、そこで寝込み襲ったらレ◯プになんじゃねーか!」
「さすがにAが泣くようなことはしねーよ。ヤりたかったけど。勃ってたけど」
「妹に興奮してんじゃねーよ!」
「うっせー!Aがエ ロいからわりーんだろーが!」
「てめーがムッツリなだけだろーが!Aに責任転嫁してんじゃねーよ!」
「ん゛ん」と横で咳払いが聞こえて口論が止まり、二人はそちらは目を向ける
ウェイターが額に青筋を浮かべて料理を持っていて
「すみません、声が大きいのでもう少し静かにお願いします。あと……『あの方』のそういう話をすると周りから何されるか分からないので、お気をつけて」
料理を机に置きながらも、その声は怒りを含んでいて
『す、すいまっせーん……』
戦と銀時は冷や汗を浮かべて謝り、周囲を見回す。
周りの客や店員は皆、憎悪を燃やしていて
「こ、これ……Aのエ ロい話したから、だよな」
「た、多分そうだな」
銀時と戦は顔を引きつらせた
戦は惚れている 二→←抱える荷物は少ない方が良いとはいうが 二 終
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年5月5日 12時