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家族は彼女だけでいい 五 ページ7

「アイツの両親はなーーアイツがその手で殺したんだ」
『え……』

 新八と神楽は、銀時から聞かされた事に驚いて目を見開いた。
 
 戦がそんなことをするとは思えないのである。

 戦闘狂でバカな男だとしても、決してその根は腐っていない。

 簡単に人の命を奪うような人物ではない。

 新八達は、そう思っていたのである。

「ど、どういうことですか。戦さんが親殺しって……」

 新八は額に汗を浮かべて銀時に尋ねた。

「……アイツの親は、天人と手を組んで侵略を手引きし、国家転覆を目論んだ反乱分子だったんだよ」

『!!』

 新八と神楽はそれを聞いて目を見開いた。

 彼の親が反乱分子と判明したのは、戦が十ニ歳ほどの頃である。

 それは国家に陥れられたわけでもなければ、冤罪でもない。

 確固たる事実

 言い逃れようのない黒だった。

「戦の両親は捕縛され、斬首刑が言い渡されて本来は幕府の執行人が執り行う予定だったんだが……」

「そこに戦が乱入してきて、アイツが自分の手で親の首を落としたんだよ」
「っ……助けるとかじゃなくて、ですか?」

 新八が冷や汗を流して問い返した。

 銀時は当時の戦の様子を思い返して目を閉じる。

「その時は俺もてっきり、親を助けようとするもんだと思ってたがな」

『戦ァ!おいどこ行く気だ!!まさか、親だからって造反者を助けようってのか!?』

「俺ァ、何も知らなかった」

『銀時。謀反者なんてどこにいる』

 戦は刀を持って、銀時に背を向けてそう言った

『家族なんて、どこにいる』
『お前、なに言って……』
『あの二人……』

 戦は刀の柄を力強く握り

『奴ら、Aを天人に売りやがった』
『なっ!!』

 戦の両親は、国家転覆を目論むと同時に

 天人がAを気に入ったということで、彼女を土産として売り飛ばしたのである

 それは銀時や桂や高杉など子供の知り得ない水面下で起こっていたことで

 戦自身も気づくのが遅れてしまっていた

『俺はこれから、奴らを斬りに行く』

 おそらく天人が彼女を気に入ってしまったのは、星人だから

 おそらく戦の両親が彼女を土産として渡せたのは

 Aがただの養子で

 本当の子ではないから

 それが分かった時点で

 戦にとっての家族は、たった一人となった

『俺が斬るのはーー息するゴミだ』

「アイツは家族を斬ったわけでも、謀反者を裁いたわけでもねェ」

義妹(かぞく)に手を出した(てき)を殺したんだ」

家族は彼女だけでいい 六 終→←家族は彼女だけでいい 四



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!ここまで読んでいただきオリキャラも慕っていただきありがとうございます! (5月5日 12時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - いつもありがとうございます。夢主ちゃんも勿論大好きなのですが、ぶっきらぼうでちょっと怖いけど本当は優しいお兄ちゃんも大好きなので、彼の話を心待ちにしておりました。 暑くなってきましたので体調に気をつけてお過ごしください。 (2023年5月3日 12時) (レス) @page39 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年4月21日 21時

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