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目は口ほどに物を言う 一 ページ20

ーー今でも、思い出す度に嫌気がさす

ーー奴らのあの眼は

ーー大嫌いだ。


「……ちゃん。お兄ちゃん!」
「んあ?」

 戦はAに呼ばれて間の抜けた声をこぼした。

「今の話聞いてた?」
「あー、わり……聞いてなかった。何だって?」
「もー……幕府高官のお嬢さんと仲良くなって、明日一緒にお昼ご飯食べに行こうって話になったの。良かったらお兄ちゃんも一緒にこない?」
「食事ねェ……」

 戦は誘われてもあまり興味なさそうにする。

「全然興味なさそう……凄く優しくて可愛い人なんだよ。女の私でもつい惚れちゃいそうだったくらい」

 ピクッと戦の眉が反応した。

 Aの肩を浮かんで何やら切迫した表情を浮かべる。

「……惚れたのか」
「えっ?いや……惚れちゃいそうってだけで」
「惚れてはいないんだな?」
「え?あ、うん……」

 その答えを聞いて戦は安心した様子でため息を吐き出した。

 戦の様子がAには理解できず不思議そうにする。

「それで、一緒に行く?」

 戦は問われて少し黙った

 その女の人自体には興味がないが、Aが(ほだ)されないか心配になって

「……行く」

 顔を背けてボソッと返答した


 翌日、予定通り戦はAと共に幕府高官のお嬢さんとレストランに来た。

「それでねー」
「ふふっ、また楽しそうな事なさってますね」
「……」

 目の前でAと女が仲良くする様を、戦は不機嫌そうな顔で眺める。

「それで、戦さんはAさんの義兄なんですよね」
「……そうだけど」

 女が話しかけてきて、戦は少しムスッとしながら返した。

「じゃあーー「挨拶」は義兄さんにしないといけないですね」
「!」

 女の目つきが艶を帯びて戦を射抜いた。

 彼女の言葉と目つきに戦は目を見開く。

 Aは不思議そうにして首を傾げた。

「挨拶?」
「はい。Aさんと私が仲良くなるための、挨拶です」

 女はAの手に触れてグッと近づいてみせた。

 戦は黙っていたが顔に影が差す。

「……オイ」
「ふふ、義兄さん顔こわーい」

 ピキッと戦の額に青筋が浮かんだ。

「でもねーー自分は手が出せないからって他人に噛み付くのはお門違いですよ」
「お前……」

 自分の上にのし上がってくるような相手の目つきに戦は眉を寄せる。

 何か言おうとしたその時、Aが口を開いた

「ごめ、ちょっとお手洗い行ってくるね」
「あ、いってらっしゃーい」

 女はニコニコした顔に戻って手を振った

目は口ほどに物を言う 二→←生ゴミは ちゃんと地獄へ捨てましょう 三 終



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!ここまで読んでいただきオリキャラも慕っていただきありがとうございます! (5月5日 12時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - いつもありがとうございます。夢主ちゃんも勿論大好きなのですが、ぶっきらぼうでちょっと怖いけど本当は優しいお兄ちゃんも大好きなので、彼の話を心待ちにしておりました。 暑くなってきましたので体調に気をつけてお過ごしください。 (2023年5月3日 12時) (レス) @page39 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年4月21日 21時

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