生ゴミは ちゃんと地獄へ捨てましょう 三 終 ページ19
『貴様!こ奴らに死んでほしいなら我々に任せて黙ってみておけ!』
役人は二人を助けに来たわけじゃない戦の考えがよく分からないながらも、仕事の邪魔はするなと命令した
しかし
『ぐほォッ!?』
戦が役人の腹に回し蹴りを叩き込み、役人は白目を剥いて失神してしまった
『てめーらにも……誰にも殺らせねェ。Aを騙し傷つけた奴は、俺がこの手で始末する』
『他人にやられるくらいなら
『この腐った肉縁を』
刀を持って近づいてくる戦に両親の顔が青くなる。
『てめーらは親でも、家族でもねェ。ただの……生きたゴミだ』
『お前らは考える余地もなく地獄行きだ。いや……俺が地獄に叩き落としてやる』
戦は二人の目の前で足を止めた。
『なあ、知ってっか……?地獄にゃ、蜘蛛の糸が一本あるらしい。そいつを掴んで上に登りゃ、地獄から抜け出せるって代物だ』
『だがなァ……地獄に垂れ下がったほっせェ糸……てめーらの首にぶら下がった図太ェ神経ごと』
『叩っ斬ってやらァ』
戦の目は黒く醜く濁りきって二人を見下ろす
刀を握る手に力を込めて構えた
眩しく温かい陽の光が、冷たく鋭い刃へと降り注ぐ
『いく、さ……』
『まっ、待って。違うの、誤解なんだよ。お母さんの話を聞い』
一閃
鉄の残像がきらめいて声は途切れ
赤い血が降り注いだ
『てめーらの話なんざ、聞く価値もねェ』
その日、戦は親殺しとなり投獄されてしまった
ーー
「それからだ。奴が妹に異常に執着するようになったのは」
桂は拠点で、神楽と新八に戦の過去の話をした
窓辺では銀時が壁にもたれかかって外を眺めている
その表情は どこか憂いを帯びていた
「そんな、ことが……」
新八も神楽も、あんな煩くてバカな脳筋に見える戦が
そんな過去を抱えていたとは思わなかった
「ま、それより前からアイツはシスコンだったけどな。それに拍車が掛かったというか」
銀時は目を閉じ悩ましげに頭をかく
二人は投獄されてからしばらくして釈放された時の戦の顔を覚えている。
彼は少し疲れた様子には見えるものの、普段と変わらぬ様だった。
しかしその目は確かに、堕ちていた
『妹に手ェ出す奴は潰す』
「あれから奴は……Aのためなら人を殺すこともいとわなくなった」
人を殺したことはなかった戦は親に手をかけ一度人を殺めたことで
今まで押さえ込んでいた鎖が壊れてしまった
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!ここまで読んでいただきオリキャラも慕っていただきありがとうございます! (5月5日 12時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - いつもありがとうございます。夢主ちゃんも勿論大好きなのですが、ぶっきらぼうでちょっと怖いけど本当は優しいお兄ちゃんも大好きなので、彼の話を心待ちにしておりました。 暑くなってきましたので体調に気をつけてお過ごしください。 (2023年5月3日 12時) (レス) @page39 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年4月21日 21時