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親が思うほど子は馬鹿ではない 四 ページ12

『二十時には次の船着場につく。そこであの小娘をおろしてお前たちは戻れ』
『かしこまりました』

(二十時……あと十五分しかねェ!A!!)

 戦はすぐにその場を離れ、Aを探して廊下を走った

(ここじゃねえ……ここでもねェ!)

 ありとあらゆる部屋に行き、手当たり次第探していく

 しかしAは見つからず、焦りだけが戦を(むしば)んでいく

 そんな時

『ーー!』

 何かの声が聞こえて、戦は急いでそちらへ駆けた

 辿り着いたのは船の機械室で、戦は扉に身を隠して中の様子をうかがう

 機械に囲まれた部屋に、Aが鎖で手足を繋がれていた

(A!!)

 服は血だらけになっていて憔悴(しょうすい)しきっていたが、身体には何一つ傷がない

 彼女の周りを何人もの狼の天人が囲んでいた

(クソ……この人数じゃ助けに行っても勝てねェ。俺も捕まっちまう……)

 戦はグッと拳を握り、武器になるものがないか辺りを見回す

『おい、こいつ全然アルタナの結晶ださねェぞ』
『怪我を負わせたらすぐ治るから星人なのは間違いねーんだが』

『おいコラ小娘。さっさとてめーらの力でアルタナの結晶をだせ』
『ッ……』

 Aは髪を掴まれ顔を上げさせられて苦しそうに眉を寄せた

『アル……タナ?なんの、こと』

 Aは何を言っているのかさっぱり分からず戸惑っていた

『こいつッ……』

 Aの返答を煽られたと思ったのか天人は苛立ち、彼女の腹に強烈な膝蹴りを入れた

『がっ……ゲホッ』
『おいおい。アルタナの結晶は自分の身よりも大事な秘術っだってのかァ?』
『だ、だから……知らないって言って……ッ!!』

 Aの赤い瞳に銀色が映る

 鋭利な槍が眼球に向けられることが分かって、激痛を悟り恐怖で瞳孔が開く

(クソッ!!)

『そいつに手ェ出すなァァァ!!』

 戦は勝てないと知りながらも、そばにあった鉄管を力づくで引き抜いて棒状の武器にし天人に殴りかかった

『ぐほァ!!』

 背後から不意を突かれた天人は鉄管で勢いよく殴り飛ばされた

『!おにい……ちゃん』

 Aは戦を見て目を見開いた

『なんだこいつ!!』
『まさかあの人間どものガキ……!』
『さっさと捕まえ、ごはァ!!』

 戦は槍の攻撃を素早く避けて鉄管で的確に天人たちに激痛を負わせる

『このクソガキ!』
『ッ!がっ……!』

 しかし多対一では攻撃を全ては避けきれず、頰を切られ腹を蹴り飛ばされて地面に転がった

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!ここまで読んでいただきオリキャラも慕っていただきありがとうございます! (5月5日 12時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - いつもありがとうございます。夢主ちゃんも勿論大好きなのですが、ぶっきらぼうでちょっと怖いけど本当は優しいお兄ちゃんも大好きなので、彼の話を心待ちにしておりました。 暑くなってきましたので体調に気をつけてお過ごしください。 (2023年5月3日 12時) (レス) @page39 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年4月21日 21時

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