沖田総悟は惚れている 四 ページ24
「いや。考えてみりゃ、姉上と一緒の時は二人とも同じ沖田じゃねーですかィ」
「いや、私ミツバちゃんって呼んでるし、沖田君も『君』って言ってるから大丈」
「姉上が沖田君っていう可能性もないわけじゃねーですかィ」
「いやその可能性はないよ」
Aは総悟の発言を即座に否定した
「……沖田君、もしかして下の名前で呼ばれたいの?」
「……」
彼女の問いかけに総悟は黙ってしまって
Aはフフッと笑った
「可愛い……いいよ。年下だからそれくらいが距離的にはちょうどいいかも知れないし。これからは下の名前で呼ぶね。総悟君」
「……その辿り着き方は納得いかねーんですけど。総悟って呼んでくだせェ」
総悟が少し不服そうに返せば、Aは笑顔で
「総悟『君』ッ」
「……チッ」
「総悟君、いま舌打ちした?」
「してません。投げキッスでさァ」
「え゛……ぶふっ……アハハハッ!!」
普段の総悟からは出ないような言葉にAは固まって噴き出し笑ってしまう
総悟は怒る様子もなく、彼女の笑顔を見て嬉しそうに笑った
「やっぱ、アンタは笑顔が一番似合う」
総悟はAに近づき手を引いて
「っ!?」
もう一度キスをした。
今度はすぐに離し、背を向けて屋上の扉へと歩いていく。
Aが固まっているのを放置して
「しっかり寝てくだせェ。じゃねーと他の奴らが執務で押し潰されるんで」
手をヒラヒラと振って屋上から出ていった。
「……」
Aは一人、ポケーッと前を眺める。
屋上での一連の出来事が雪崩のように頭に流れ込んできて
(キスされた……)
(告白、された……)
Aは顔を赤くして唇を指の腹で撫でる
「ディープキス……恋愛いっぱいしてたら、そういうのは普通にするもの、なのかな」
慣れない感覚にドキドキしながら小さく呟いた
ーー
バタン、と音を立てて屋上の扉が閉まる
総悟は一つ息を吸って顔を手で覆い、数段階段を降りたところで足を止めた
「なんで止めなかったんですかィーー土方さん」
屋上の階段下、踊り場には
窓を開けてタバコを吸っている土方がいた
彼は頭に包帯を巻いていて、振り返らず総悟を見ない
「屋上でタバコ吸おうと思ったら取り込み中だったから、待ってただけだ。ここで吸ってんの看護師に見られたら怒られるから誰にも言うなよ」
その言葉が意味するのは、いま屋上で何があって取り込み中だったかも土方は誰にも言わない、というものだった
沖田総悟は惚れている 五 終→←沖田総悟は惚れている 三 ※若干ピンク
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» いつも読んでいただきありがとうございます!これからも頑張っていきます- ̗̀ ( ˶'ᵕ'˶) ̖́- (2023年3月18日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - いつもありがとうございます。これからいつものメンバーにたまちゃんが加入するんですね!機械である彼女が夢主ちゃんにどんな反応をするのか、楽しみにしています。 (2023年3月18日 20時) (レス) @page30 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年3月13日 1時