死なば諸共、生きたければこそ諸共に 一 ページ14
「ゲホッ……まったく。野蛮な方々だ。だがしかし、あなた方は連れてくる人間を間違えたようですね」
転海屋の視線がAに向いた瞬間、背後に攘夷浪士が現れて彼女の頭に刀を向けた
『A!!』
銀時と戦、総悟が焦って名前を呼ぶ。
しかし彼女は驚いた様子なく刀を構え、土方も無言でタバコを吸っていた。
「AA殿、この男を殺されたくなければ大人しく我々に従っていただこうか」
「……」
Aが構えていた刀を下ろすと、転海屋は鼻で笑った。
「やはり愚かな女だ。自らを犠牲にしても他人を護ろうとするとは……手に入れるのなど容易い」
転海屋が気持ちよくAを侮辱する
「ッ、A!」
「焦るな万事屋」
銀時がすぐに助けに行こうとするが、土方がそれを止めた
「てめェ、Aが危ねェってのに何でそんな冷静に」
「危なくねーからだよ」
「はあ?」
土方の発言に銀時だけでなく戦や沖田も怪訝そうにする。
転海屋は少し不愉快そうに眉を寄せた。
「……何を余裕でいるのか。あなたはこの女がどうなろうと知ったことではないと。さすがは鬼の副長ですな」
転海屋が煽るが、それを嘲るように土方がフッと笑った。
「ヤツを手に入れるのが簡単?……バカ言え。てめーにゃ、手に入れるどころか触れることすらできねーよ」
『A。お前に伝えておきたいことがある』
土方はここに至る前に港で、Aに告げた。
『お前は、もっと強くなれ』
『えっ』
強い自覚があるAは、まさか他人に強くなれと指導されるとは思っていなかった。
単純に土方と剣を交えれば、彼女が全勝するだろう
しかし土方のいう強さはそれではなかった。
『お前は、他人のために簡単に自分を蔑ろにする。誰かのためなら自分は傷ついたって、死んだって良いとすら考えている』
『それは優しさじゃねェ。命の取り合う場所じゃそいつは、欠点になる』
あまり命を取り合う戦場にいたことのないAだったが、土方のいうことに納得していた
だが
『……私は、星人です。受けた傷もすぐに治るし、そうそう死にはしません。だったら、仲間を守る盾になった方がより戦場でうまく動いていけるでしょう』
夜星たち死んだ星人が復活したあの一件で、土方も沖田も彼女の素性を知っている。
彼女自身は二人に特に隠す気はなかったが、知られたのなら存分に活用してくれと思っていた。
土方はそれを聞いて、大きく、長いため息をついた
死なば諸共、生きたければこそ諸共に 二→←昔惚れた女が惚れた女は弟の惚れた女で、俺の惚れた女でもあるとか、ややこしいことこの上ない 六 終
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» いつも読んでいただきありがとうございます!これからも頑張っていきます- ̗̀ ( ˶'ᵕ'˶) ̖́- (2023年3月18日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - いつもありがとうございます。これからいつものメンバーにたまちゃんが加入するんですね!機械である彼女が夢主ちゃんにどんな反応をするのか、楽しみにしています。 (2023年3月18日 20時) (レス) @page30 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年3月13日 1時