幼馴染にチョコレートをあげてみた 一 ページ48
「銀ちゃん銀ちゃん」
「んー?」
「はい、これあげる」
「これチョコじゃ……なになにィ、Aちゃんもしかして本命だったりするぅー?」
銀時がニィ、と気味悪く笑えばAは少し黙る。
フッと笑って
「そうかもねっ」
意味深な返答をして背を向けて走っていった。
銀時はポカンと口を開ける。
「……え?」
声がもれた数秒後に
「い、や……ズルい、だろそれは」
顔を真っ赤にして手で隠した。
――
「桂君、これあげる」
「!チョコレート……やはりAは俺を愛しッ」
スパァン!と軽い音が鳴ってAに はたかれた桂がしゃがんで頭をさすっていた。
「桂君ってほんと恥ずかしい事ためらいなく言うよね」
「仕方ない。Aが好きだからな」
「だからって……って、今なんて……」
「お前が好きだからな、と」
サラッと言ってのけた相手にAは目を見開いて顔赤くする。
「お前は昔からずっと妹のように可愛がってきたからな。好きであり大事な人からもらえるチョコは嬉しいものだ」
「あっ、ッ……そ、そうだよね。そういう意味だよね!」
Aが赤面して背を向ければ、桂は目を伏せる。
(俺がお前を女として好きだと言ったら、どういう反応をするんだろうな。A)
桂はフッと笑ってチョコを一口食べた。
ーー
「チョコだァ?」
船の窓にもたれてキセルから煙を上げ、高杉は鬼兵隊の船に侵入してきた女を見る。
黒い短髪に赤い目の、彼の幼馴染。
Aである。
「クク……船に侵入してきて何事かと思えば、お前は相変わらずガキみてーなこと考えているんだな」
「が、ガキって!女の子はドキドキして男の子は浮かれる一大イベントなんだよ!」
Aが頬を膨らませると高杉はフッと笑う。
「お前のチョコを欲しがる男は多いだろうな」
「別にそんな事ないと思うけど……高杉君はどうなの」
彼女は少し不安げに少し視線をそらせば、
その瞬間、高杉がAの目の前に来て彼女の顎を持ち上げた。
「た、高杉君?」
「俺はお前のチョコより、もっと甘ェもんが喰いたい気分だ」
高杉がAの唇を指で、彼女は顔を真っ赤にする。
「こ、ここここ、これは非売品なんだから!誰にもあげないんだからァァ!」
Aは赤面して高杉を押し離し部屋から出ていってしまった。
「クク……お前のそれは、いずれ必ず食ってやるよ」
幼馴染にチョコレートをあげてみた 二 終→←吉原炎上篇 あとがき
85人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹那*桜(プロフ) - ひゅーまんさん» すみません!一回誤変換して全部そのまま変換し続けていましたね。全て修正いたしました!ありがとうございます! (4月8日 22時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - すみません 星海坊主の字間違えてますよ? (4月7日 20時) (レス) @page42 id: 5c08d5ef79 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます!!レギュラーのオリキャラを慕っていただけて何よりです! (2023年2月20日 2時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
庵(プロフ) - 戦くん好きすぎる!!!!お話の作り方がお上手で一気に読んでしまった!更新楽しみにしています(◍ ´꒳` ◍ (2023年2月17日 3時) (レス) @page49 id: 58741a08e8 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - ハルマ(元Luma/瑶真)さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!( ´ ` *) (2023年2月13日 17時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年2月4日 21時