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昼間に飲む酒は一味違う 二 ページ44

星海坊主は昔、陽炎に自分が言った言葉を思い返す。

『俺が、貴様の娘の面倒を見てやる。父親(おまえ)よりも、親父らしく頭を撫でてやるよ』


「うがあァァァ!!父親失格じゃねェかァァァァ!!」
「いやアンタAの親父じゃねーだろーが」

 銀時は呆れてツッコむ。
 パラパラと地面の破片を額からこぼしながら星海坊主は大きくため息をついた。

「戦いにしか目のなかった奴が色恋に興味を持つとは……やはり星人の魅了の力ゆえか」

 頭を悩ませながら、星海坊主は小さくつぶやく。

「神楽は、奴を救いたいと思っている。憎まれ口を叩きながらも、奴が以前のような兄に戻ることを望んでいる」

 銀時が神威と対峙する時が来ても、きっと止めに入るだろう。

 父である星海坊主が息子である神威に襲われ戦った時も彼女は、神威が死なないように星海坊主を止めていた。

「お前ならどうする。神楽の前で奴に命を狙われた時、お前ならどうする」

 銀時は答えず、黙っていた。

「地球人ってのは妙な連中だ。憎んだ相手に誓いを立てさせ見逃してやることすら許す」

 星海坊主はAとの誓約(せいやく)の証に刺された番傘を見る。

「憎しみがあってもそこに同じだけの愛情もある。俺たちはダメだ。愛情があったとしても、一度憎めば全て黒く染まる」

 昔神威に襲われ、彼を殺しかけたことを思い出す。

「あのとき俺は黒く染まった。そして奴の全てを黒く塗り潰してしまった。もしかしたらお前やAなら……俺と違う答えが」

 星海坊主は言葉を止めて立ち上がった。

「ちと喋りすぎたか。親の責任として忠告はしたぞ。じゃあな、死ぬんじゃねーぞ」

 星海坊主は銀時に背を向けて帰っていった。

ーー

「良かったじゃないっスか。結果オーライですよ」

 すっかり明るくなった吉原の茶屋で、新八が笑っていた。
 銀時や神楽、Aや月詠と休息を取っていて。

「兎にも角にも、こうして吉原に平和が訪れたんだ」
「何が結果オーライだコノヤロー!!」

 ボゴッと神楽が新八の顎を殴った。

「その気になれば奴らいつだってこの街をどうにかできるってことアルヨ!!奴ら私たちをおちょくってるアルか、ムキーッ!!」
「心配いらねーよ」

 銀時はフッと笑って返す。

「俺とAが生きてる限り、奴ァここには手を出さねェ」
「え、私?」
「どういうことですかそれ」

 Aは急に名前を出されて驚き、新八も不思議そうにした。

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作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - ひゅーまんさん» すみません!一回誤変換して全部そのまま変換し続けていましたね。全て修正いたしました!ありがとうございます! (4月8日 22時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - すみません 星海坊主の字間違えてますよ? (4月7日 20時) (レス) @page42 id: 5c08d5ef79 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます!!レギュラーのオリキャラを慕っていただけて何よりです! (2023年2月20日 2時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 戦くん好きすぎる!!!!お話の作り方がお上手で一気に読んでしまった!更新楽しみにしています(◍ ´꒳` ◍ (2023年2月17日 3時) (レス) @page49 id: 58741a08e8 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - ハルマ(元Luma/瑶真)さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!( ´ ` *) (2023年2月13日 17時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年2月4日 21時

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