影に差す流れ星 ※イラスト有り ページ49
松平さんからの命で、私は遊女として吉原桃源郷を監査している。
正体がバレないよう長い黒髪のカツラを被り、青いカラーコンタクトをつけて偽装する。
源氏名は「星影」
兄が考えてつけてくれたのだけど
「A、やっぱエ ロいな。ぶべら!!」
座敷でお兄ちゃんをぶっ飛ばせば、廊下にいた他の遊女たちが呆れた顔をしていた。
「あの男、星影様の何なのかしら」
「星影様の昔馴染みとか?にしても不釣り合いなほど脳筋というか……」
遊女たちがコソコソと話す。
お兄ちゃんは頻繁に星影に会いにきているが、遊女達からすれば彼は星影に馴れ馴れしすぎるらしく嫌われていた。
「戦様、今日はこの辺でお帰りください」
「……はいよ」
他の遊女に見られている間で兄と呼んでしまうと面倒なため変わらず客として接する。
お兄ちゃんを返して客を待っていれば、見世物番の男の人が座敷に来た。
「星影様、お客人です。お話をどうぞ」
「ありがとうございます」
見世物番の男の人を下がらせ、来客の顔を拝みに座敷から出て下の待合室に降りる。
そこにいたのは
「え」
「随分きれいに着こなしてんな、A」
「普段と違って妖艶さが増してますねィ」
土方さんと沖田君だった。
二人とも私服姿で、私は髪の長さも目の色も変えてるのに気づかれた
「松平さんが……」
「ああ。とっつぁんから聞いた」
「わざわざ遊郭に。何かありましたか?」
地上で良からぬことでもあったのかと顔を強張らせる。
「何かも何も、お前が遊女になってること自体が大問題だわ」
「えっ、なんで?」
思いもよらぬ事を言われてキョトンとしてしまった。
「はあ……今日は時間もねーから様子見に来ただけだ。また来る」
「え、あ、はい」
二人は座敷には入らず店を出て行く。
入り口で土方さんが足を止め振り返った。
「あと……綺麗だぜ、A」
「なっ!」
彼の発言に目を見開いて顔が赤くなる。
土方さんは帰って行き、沖田君は不機嫌そうに眉を寄せた。
「また個人的にここ来るんで。その時は酌頼みまさァ」
「いや沖田君、未成年でしょ。ダメです」
「ちぇー。じゃ、特別な接客期待してまさァ……A」
「ッ!!」
耳元で囁かれて驚き赤面する。
沖田君は笑って手を振って帰って行った。
(な、なんなのあの二人ー!)
■星影 イメージ落書き
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時