検索窓
今日:4 hit、昨日:29 hit、合計:28,571 hit

手の届かない太陽と星 五 ページ44

「おっさん今日も持ってきたぜ」

 少年は見世物番の男に金を手渡した。

「まったく毎日ご苦労なこった」
「ちゃんと帳簿につけとけよ」
「わーってますって」

 やりとりを終えた少年に、銀時は質問を投げかけた。

「オイ、何だそりゃ」
「決まってんだろ。ここは遊郭だ。女、買うんだよ」
「は?」

 銀時は顔を引き攣らせる。

「日輪太夫を買うために、オイラは金が必要なんだよ」

 Aはそれを聞いて、少し暗い顔をした。


「ダーッハッハッハッ」

 スナックお登勢に、お登勢とキャサリンの笑い声が響いた。
 銀時たちはカウンターに座りお登勢に少年の話をしたが、大笑いされてしまったのである

「こんなちんちくりんが色街一番の花魁おとすって!?」
「ガキガ発 情シテンジャナイヨ!!」
「笑い事じゃないですよ」

 大人気なく子供に笑うお登勢とキャサリンを新八はジト目で見た。

「新八、ガキに先越されて焦ってるアルか」
「あ、焦ってねーし!え?何?全然だし?やろうと思えばいつでもできるし!やらないだけだから僕の場合!」

 新八は神楽の言ったことが図星だからか上擦った声でまくし立てる。

「そーいうのじゃなくて。こんな子供が色街で女性を買おうだなんて」
「ガキじゃない。晴太(せいた)だ。童貞(ガキ)
「てめっ今なんつったァァ!!何と書いてガキと読んだァァ!!」

 新八は青筋と冷や汗を浮かべて晴太の胸倉を掴み上げた。

「ちょ、新八くん落ち着いて」
「落ち着くアル童貞(しんぱち)

 男装のままのAが止めるが、その横で神楽は火に油を注いでいた

「まあまあ。放してやれよ、ぱっつぁん。ガキの分際で女に興味持つなんざ大したもんだよ」

 銀時はカウンターに頬杖をついて言う
 
「しかも女を買うために金を集めようとスリをやっていたとは。末恐ろしいガキだぜ」
「みなしごのオイラが金を手に入れる方法つったらスリ(これ)しかなかったんだよ」

 晴太がうつむいて言えば、お登勢が真面目な顔になる

「花魁を買うつったら莫大な金が必要だろ。その日を生きるのもギリギリなお前が何でそんな事やってんだ」
「……」
「正直に話せ」

 晴太は眉を下げ、唇を噛んだあと少しずつ自分の身の上話を口にした

「……オイラ、子供の頃に親に捨てられたんだ。親の顔は覚えてない。物心ついた時オイラの目の前にあったのは、オイラを拾ってくれたじいちゃんの顔だった」

 そのおじいさんも3年前に亡くなっている

手の届かない太陽と星 六→←手の届かない太陽と星 四



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
98人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。