手の届かない太陽と星 四 ページ43
その高質な雰囲気はAの整った顔があってこそ際立つものだった。
いま現在、客観的に見たAの状況は
顔の良い色男が、気怠げな銀髪の浪人にほだされて連れてこられたようで。
若干、場違いな感じが出るほど爽やかに整っている。
そんな彼女を見る女たちの視線は営業商売の眼差しではない。
普通に見惚れて固まってしまっていた。
しかし銀時のように周りにベタつかれることはなく、むしろ誰もあまり近寄ろうとしない。
「さ、さすがにもう少し抑えめの袴の方が良かったんじゃ……」
Aは自分の雰囲気が周りを敬遠させていると思っていた。
しかしそうではない。
遊女たちは皆、他の浪人たちも含めて皆、
みなAが話しかけて良い存在かどうか、相手と自分の位置を見極めようとしているが、測りかねて動けないのである。
「姉……兄ちゃん、凄いな。ここの女は気に入った男には慎重だが、確実に自分の元に手繰り寄せるように動く。それすらできない状況はなかなかないよ」
「いや、そう言われても……」
(ただ歩いてるだけなんだけど……これ変に目立って捕まったりしないかな?)
Aは内心ヒヤヒヤしながら苦笑いした。
「この格好である必要あったのかな……」
「そりゃあるだろ。ここは地下遊郭、吉原桃源郷。中央暗部に支えられ幕府に黙殺された超法規的空間。常夜の街だ。女のカッコで来て変に目ェつけられたら逃げられねーぞ」
銀時はAが遊郭の管理者や暗部の者に狙われるのを避けて、彼女に男装をさせたのである。
男装をしなければ同行を許可しないと言われてしまい、Aは少年が心配なため男装することにした。
「にしてもこんな所に連れてくるとはマセガキめ。俺ァそんじょそこらの女じゃ満足しねーよ」
Aがいれば十分だが、と銀時は思いながら目線を上げる。
「あの辺のランクの奴らを用意してもらわにゃ」
彼は建物の一番上から外を眺める遊女を見た。
綺麗な顔をして、他より煌びやかな着物をまとった遊女だった
「ありゃダメだ。アニキじゃ届かねェ」
少年も上を見上げる
「
日輪太夫は気に食わなければどれだけ金を積まれようが、殿様だろうが相手にしない。
「高嶺の花だよ。それに、あの女はもうオイラが先に唾つけてんだ」
少年は懐を漁り見世物番の所に行った。
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時