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手の届かない太陽と星 二 ページ41

銀時とAが町を歩いていると、銀時が少年と肩をぶつけた。

「おっと、ごめんよ」

 少年は一言謝って手をあげ、銀時も手を挙げて歩いて行った

 少年はそのまま路地に入り、懐から黒い二つ折り財布を出し中を見た

「チッ、しけてやがらァ。ほとんど空じゃねーか」

 その財布は、銀時のものだった
 彼はぶつかった時に銀時の財布を盗んだのである

「今の時代、侍なんぞ狙っても金になりゃしねーや。オイラの方がまだ持ってるぞ。けどこっちの財布は……ってあれ?スったはずなのにない?」

 少年はもう一人、Aも狙っていた
 しかしスったと思っていたはずが手元に財布がない
 そして、自分の財布も見当たらなかった。

「アリ?オイラの財布もねェ!!なんで!?落とし……」
「ひーふーみー。いやっほ〜、わらしべ長者だ」

 路地を横切るように、さっきとは逆方向に銀時とAが歩いてくる。
 銀時の手には金の入った小袋があった。

「パフェ食ってパチンコでも行くか」
「それ俺の金!!あっ……」

 少年が慌てて路地から出てきたところを、銀時は目を光らせた。

「コソ泥がァァァ!!」
「ぎゃああああ!!」

 銀時がドゴッと少年の頭を殴った。
 Aは子供を殴る彼と、スリの犯人である子供に呆れる。

「銀ちゃん何でわざわざスられたのかと思ったら」
「!姉ちゃんも気づいてて……そうだ、アンタの財布!」

 殴られて頭にタンコブをつけた少年はA達がスリに気づいていたことに驚く。
 そしてスったはずの彼女の財布について言及した。

「ああ……これ?」

 Aは懐から自分の財布を出した。

「な、何で。確かにスッたはずなのに……」
「バカおめー、コイツの財布がそう簡単にスれるわけねェだろ」

 銀時は呆れてため息をついた。
 Aは財布をしまい再び口を開く。

「スリの手元の動きって自然に見せかけられているけど、ちょっと特殊だから気づくことはできるよ」
「でもあんな通り過ぎた一瞬で……まさか俺がスリの常習犯って知ってて……」

 銀時とAはお互い不思議そうな顔を見合わせる。

「いや?」
「知らないけど」
「ただ横を通り過ぎるだけでもコイツは気づいてすぐ対処するぞ。そういう奴だからな」
「にしてもこの子がスリ……」
「ぁ、ぅ……」

 Aがしゃがんで少年の顔を見つめれば、彼は動揺し慌てて顔を背けた。

「とりあえず場所変えるぞ」

 銀時は不機嫌そうに二人を連れてファミレスに向かった。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時

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