親しい相手にも恥じらいは持て 四 ページ18
「あ、あー。いや、これはあの、違うんだよAちゃん」
「ぎ……ぎぃ……」
Aはプルプルと肩を震わせて、ガッと強くトイレットペーパーを掴む。
手に力が入って手の甲の関節が浮き上がり、メキョッとトイレットペーパーのロールを押しつぶす。
足を一歩後ろに下げ、構えを取った。
「銀ちゃんのォ……変態露出バカァァァ!!!」
周辺の空気が強く押し出され、シュンと何かが風を切ったかと思えば
白いトイレットペーパーのロールが弾丸の如く銀時の頬に激突し
ドゴォォォンと音を立てて彼をトイレの壁にぶち当てた。
《えええええ!?な、なに今の音!?外で何が起こってんの!?》
個室に入ったままで状況がよく分からない近藤と東城は驚愕して固まった。
「サイテー!銀ちゃんサイテー!!変態!すけべ!!ばーか!ぶァーか!!ベェーッ!」
Aは恥ずかしさで涙目になり顔を真っ赤にして罵倒し、背を向けて走り逃げていった。
(恥ずかしさからか分からんが罵倒が子供だな)
敏木斎は去って行くAの背中を眺める。
トイレットペーパーは勢いに任せてトイレの外に吹っ飛んで行き、再び周囲に紙の反応がなくなって敏木斎は個室に戻っていった。
「いってェ……」
激突した壁の瓦礫を払って銀時が立ち上がる。
顔に手を当て、うつむいて口を引きつらせた。
「やべェ……めちゃくちゃヤベー事になった」
「確かにヤバいな」
(紙と、万事屋へのAさんの信頼が)と近藤は心の中で付け足す。
「なんとも……振り出しに戻りますね」
(紙と、この男とAさんの関係が)と東城が続け
「まァ、仕方ねーな」
「仕方なくねェよ!てめーのせいだろ!!」
敏木斎の言葉を銀時が即否定した。
「ったくよー。じーさんのせいで紙は外に行くしAの信頼は崩壊するし、どーすんだよこれ」
銀時はうなだれながらトイレの個室に戻った。
「やっぱヤスリしかねーんじゃね?」
「そーなるかァ」
《え!本気で言ってる!?》
銀時と敏木斎の決断に近藤と東城は冷や汗を流す。
またジョリジョリとヤスリの音が聞こえてきた。
(え、どうすんのコレ。拭くの!?ヤスリで!?)
(無理無理無理無理、無理だってコレ!)
二人ともヤスリを
親しい相手にも恥じらいは持て 五 ※下ネタ注意→←親しい相手にも恥じらいは持て 三 ※下ネタ注意
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時