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第一印象がいい奴にロクな奴はいない 五 ページ48

雪の中、銀時は墓の団子に食らいつく。

ーーなんつってた? 私の旦那

「そう聞いたらそいつ、なんて答えたと思う? 死人が口をきくか。だから一方的に約束してきたって言うんだ」

 タバコを咥えて目を伏せ、お登勢は思い出す。

「『この恩は忘れねェ。アンタのバーさん。老い先短い命だろうがーー』」

ーーこの先はアンタの代わりに俺が護ってやる、ってさ

 銀時とAが跳び上がりキャサリンの背後に出る。
 銀時がキャサリンを木刀で殴打し、ゴンという鈍い音が鳴った。

 キャサリンが手を離した原チャリは、お登勢の方に流れるが、Aが素手で受け止めた。
 彼女は原チャリの動力で少し後ろに圧される。しかしお登勢の元に着く前にその動きを止めていた。

 そんな二人の様子にお登勢は目を伏せて笑みを浮かべた。


「仕事くれてやった恩を仇で返すたァよ」

 頭にたんこぶを作ったキャサリンは役人に手錠をかけられて連れて行く。
 銀時は橋の下を眺めながら、お登勢は橋の手すりに背をもたれさせてタバコをふかせていた。

「仁義ない奴ってのは男も女もみにくいねェ、ババァ」
「家賃も払わずに人ん家の二階に住みついてる奴はみにくくないのかィ?」
「ババァ、人間なんて皆みにくい生き物さ」
「言ってることめちゃくちゃだよアンタ!」

 二人が話している前で神楽がレジを持って行こうとして新八とAが慌てて制止していた。

「まァいいさ、今日は世話になったからね。今月の家賃くらいはチャラにしてやるよ」
「マジでか? ありがとうババァ。再来月は必ず払うから」
「何さりげなく来月すっ飛ばしてんだ!」

 お登勢は一つツッコミをしてため息をつき、空を眺める。

「にしても、アンタあの子も護ろうとしてんだろ?」
「あの子? あァ、Aか」
「あの子は守られるタチなのかィ? さっきもバイク受け止めてたけど。見た目と中身が可愛いゴリラじゃないのかね」
「ばっか。おめェ、見た目も中身も可愛いゴリラはゴリラじゃねーよ……アイツはマジで可愛いし、馬鹿みてェに真面目で優しい奴だよ」
「……相当、惚れてんだねェ」
「うっせ」

 銀時は少し照れくさそうにして悪態をついた。その様子にお登勢はタバコを咥えながら軽く笑みを浮かべる。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - きゃすみさん» 返信遅くなってしまってすみません!!コメントありがとうございます! (5月14日 14時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
きゃすみ(プロフ) - もう少し行あけると読みやすいです。でもめっちゃ面白かったです!! (2022年10月10日 13時) (レス) @page3 id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2021年2月13日 8時

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