第一印象がいい奴にロクな奴はいない 一 ページ44
「おかわりヨロシ?」
「てめっ何杯目だと思ってんだ。ウチは定食屋じゃねーんだっつーの」
万事屋の一回、スナックお登勢のカウンターで、神楽とお登勢はそんな問答を繰り返していた。
神楽は片手に茶碗を持ち、口いっぱいにご飯を蓄えていた。
「ここは酒と健全なエ ロをたしなむ店……親父の聖地スナックなんだよ。そんなに飯食いてーならファミレス行ってお子様ランチでも頼みな!!」
「ちゃらついたオカズに興味ない。たくあんでヨロシ」
「食う割には嗜好が地味だなオイ。ちょっとォ!! 銀時! 何だいこの娘! もう五合も飯食べてるよ! どこの娘だい!」
お登勢は青筋を浮かべて怒鳴るが、その先のテーブル席にいる銀時と新八はゲッソリしていた。
Aは苦笑いして神楽を見る。
「五合か……まだまだこれからですね」
「Aが食材買ってくれる以外、もうウチには砂糖と塩しかねーもんな」
「神楽ちゃんほんとにいっぱい食べるよね」
「なんなんだいアイツら、憔悴しちまって……ん?」
お登勢が銀時たちから、カウンターの神楽へ視線を戻す。
神楽はカウンターテーブルの上に座って炊飯器ごとご飯を食べていた。
「ってオイぃぃぃ!! まだ食うんかいィィ!!ちょっと誰か止めてェェェ!!」
スナックお登勢にママの叫び声が響いた。
「へェ〜じゃあ、あの娘も出稼ぎで地球に金欠に故郷に帰れなくなったところをアンタが預かったわけ……」
お登勢は銀時たちのテーブル席に座り、神楽のことについて話を聞いた。
「バカだねぇ、アンタも。家賃もロクに払えない身分のクセにあんな大食いどうすんだい? 言っとくけど家賃はまけねぇよ」
「オレだって好きで置いてる訳じゃねぇよ、あんな胃拡張娘」
銀時がそう言うと横からグラスが彼の頭に飛んで来て破壊音を鳴らす。
銀時は机に顔をつけて倒れた。
「なんか言ったアルか?」
「言ってません」
グラスを投げた神楽が問えば、新八とA、お登勢が口を揃えて言った。
「いだだだ」
「アノ大丈夫デスカ? コレデ頭冷ヤストイイデスヨ」
銀時が頭に手を当てて顔を上げれば、横から女性が濡れたハンカチを手に声をかけてきた。
黒のおかっぱに茶色い猫耳を生やして緑の着物を着た、少々おっさんくさい顔をした天人である。
第一印象がいい奴にロクな奴はいない 二→←ジャンプは時々土曜日に出るから気を付けろ 八 終
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刹那*桜(プロフ) - きゃすみさん» 返信遅くなってしまってすみません!!コメントありがとうございます! (5月14日 14時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
きゃすみ(プロフ) - もう少し行あけると読みやすいです。でもめっちゃ面白かったです!! (2022年10月10日 13時) (レス) @page3 id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2021年2月13日 8時