ジャンプは時々土曜日に出るから気を付けろ 五 ページ40
狭いゴミ箱内で体を動かしているのでAの体が新八に押し付けられる。
――ッ!! いや、これも悪くない、のか?
「なに考えてるアルか、エロメガネ」
「ち、ちがっ。これはたまたまというか……」
少女は新八の様子にジト目で彼を見る。
新八が弁明しようとするが、構内スピーカーから電車の発車アラーム音が鳴り響く。
「ヤバイ電車もう出る!! もういい転がれ!!」
新八は出るのを諦めて転がって電車の中に入ろうとする。転がったときにメガネが外れる。
新八の目論見も虚しく、ゴミ箱は誰かの足に止められてしまった。
新八たち三人は驚き、止めた人物、パンチパーマ男の親分を見る。
「オイオイ、ダメだよ〜。駆け込み乗車は危ないよ。残念だったな、神楽ぁもうちょっとで逃げれたのに」
「井上……!」
パンチパーマの親分、井上は少女を神楽と呼んで笑って見下ろしてきた。
周りには子分たちがいて彼らも下卑た笑みで神楽たちを見ていた。
ヤクザたちが現れて駅の客たちは悲鳴を上げながら逃げていく。
「何も言わずに逃げちゃうなんてつれないねェ。あんなによくしてやったのに。金に困ってたんじゃなかったの? いいのかィ? ふりかけご飯の生活に逆戻りだよ?」
「人傷つけてお金もらうもう御免ヨ。何食べてもおいしくないアル。いい汗かいて働く。ふりかけご飯もおいしくなるネ」
「戦うことしか脳がない蛮族がいうじゃないか。ええ?夜兎族さんよ」
「夜兎族?」
新八はその種族名を聞いて分からない様子だったが、Aは井上の蛮族という言葉に眉を寄せていた。
「おやおや何も知らずにコイツに協力してたのかィ。おたくも名前くらい聞いた事あるだろう? 最強最悪の傭兵部族『夜兎』姿形は人間と大差ないが驚異的な戦闘力を誇り数多の星を潰してきた。ただ戦うだけを嗜好する戦闘民族よ」
井上はしゃがんで夜兎について説明する。
Aは顔を曇らせた。
「奴らは日の光を嫌い常に日傘を離さないというからな薄っぺらい道義心で本能を拒絶したところで戦うお前は楽しそうだったぞ。お前の本能は血を求めているんだよ神楽」
「違うネ!! 私は……」
「夜兎は蛮族ではありません」
「!」
言い終わる前にAが反論した。
神楽は驚いて彼女の方を見る。
「なんだ? アンタ……オイオイ、こりゃビックリだな。なかなかのべっぴんさんじゃねーか」
井上もAへ目をやるが、その容姿に驚いて口角を上げた。
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刹那*桜(プロフ) - きゃすみさん» 返信遅くなってしまってすみません!!コメントありがとうございます! (5月14日 14時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
きゃすみ(プロフ) - もう少し行あけると読みやすいです。でもめっちゃ面白かったです!! (2022年10月10日 13時) (レス) @page3 id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2021年2月13日 8時