ジャンプは時々土曜日に出るから気を付けろ ニ ページ37
ガシャコン、と機械音を立てて番傘が閉じる。
あぐらをかきながら少女は車へと傘の先端を向ける。
すると重い発砲音とともに番傘の先端から弾丸が何発も飛び出て車の窓ガラスに穴を空けた。
発砲を受けた車はそばの街頭樹にぶつかり、大きな音を立てて停車する。
少女は番傘の先端から出る煙をフッと吹く。
一連の光景に新八は声も挙げられず顔を引つらせていた。
「お前ら馬鹿デスか？ 私、スクーターはねられた位じゃ死なないヨ」
三人はスクーターから降りて路地に隠れていた。
「コレ奴らに撃たれた傷アル。もうふさがったネ」
神楽は壁に傘を立て掛け、地面に座りながら言った。
「お前ご飯にボンドでもかけて食べてんの？ まァ、いいや。大丈夫そうだから俺ら行くわ。お大事に〜……アレ？ 新八お前急に重くなっ！？」
銀時たちが帰ろうとスクーターに乗るが、スクーターが走り出した瞬間、少女が車体の後部を片手で掴んで止めた。
彼女の足元とスクーターに引かれる摩擦で地面の砂埃が舞う。
「ヤクザに追われる少女見捨てる大人見たことないネ｣
「ああ俺、心は少年だからさァ。それにこの国では原チャリ片手で止める奴を少女とは呼ばん。マウンテンゴリラと呼ぶ。Aを除いて」
「え、今なんかサラッと凄いこと言ってません？」
少女が掴んだまま、スクーターのエンジン音がブォンブオン鳴り響く。
新八は静かに聞いていたが、Aの名前が出てきて驚いてツッコむ。
「いや、そりゃあAはバカほど怪力だけど可愛いから」
「いや可愛いですけども、Aさんそんなに力強いんですか！？」
「え、誰か呼んだ？」
「え？」
新八がAの名前を口にすると、彼女の声が後ろから聞こえてきた。
通りからAが路地に入ってきて、銀時たちは驚いた顔をする。
少女は誰かわからないので、スクーターを掴みながら不思議そうにAを見ていた。
「あれ、銀ちゃんと新八君。それと……夜兎？」
「A！ なんでここに」
少女はAが夜兎と小さく呟いた瞬間、彼女に警戒心を覚え身構える。
銀時は驚いていたが、向かい側の通りから人の気配がしてそちらへ目を向ける。
そこには先ほどの男たちがいた。
「おっ、いたぞォォ。こっちだァァ！！」
「わっ」
「え、ちょっと何、どうしたの！？」
「良いから逃げるぞ！」
銀時たちは急いでスクーターを捨てて走り出し、Aの手を引いてその場から逃げた。
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刹那＊桜(プロフ) - きゃすみさん» 返信遅くなってしまってすみません！！コメントありがとうございます！ (5月14日 14時) (
レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
きゃすみ(プロフ) - もう少し行あけると読みやすいです。でもめっちゃ面白かったです！！ (2022年10月10日 13時) (レス) @page3 id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那＊桜 | 作成日時：2021年2月13日 8時
