ペットは飼い主が責任を持って最後まで面倒を見ましょう 五 ページ29
「入国管理局の長谷川泰三っていったら、天人の出入国の一切を取り締まってる幕府の重鎮スよ。そんなのが一体何の用でしょう?」
「何の用ですかおじさん」
車内で新八が銀時にコソッと話すが、銀時は直球で長谷川に尋ねた。
「万事屋つったっけ? 金さえ積めば何でもやってくれる奴がいるってきいてさ。ちょっと仕事頼みたくてね。まさかAがいるとは思わなかったが」
鼻にティッシュを詰めた長谷川はライターでタバコに火をつけながら答えた。
さっきまでAには、さん付けをしていた彼が呼び捨てで呼んで銀時は眉を寄せて反応する。
「仕事だァ? 幕府仕事なんてしてたのか。街見てみろ、天人どもが好き勝手やってるぜ。あとオッサンなんかAに馴れ馴れしくない?」
「こりゃ手厳しいね。俺達もやれることはやってるんだ。なんせ江戸がこれだけ進歩したのも奴らのおかげだから。おまけに地球をエラク気に入ってるようだし無下には扱えんだろ。あとAとは仕事関係で仲良いから馴れ馴れしいのは当たり前だ」
「ちょ、二人ともどうしたの」
銀時と長谷川は本題に関係のないことを混ぜながら話す。
少しピリッとした空気になり、名前を出されているAは慌てて制した。
長谷川は何でもねえよ、と彼女に返して話を本題に戻す。
「既に幕府の中枢にも天人は根を張っているしな。地球から奴らを追い出そうなんて夢はもう見んことだ。俺達にできることは奴らとうまいこと共生していくことだけだよ」
「共生ねェ……んで、俺達にどうしろっての」
「俺たちもあまり派手に動けん仕事でなァ。実は今、幕府は外交上の問題で国を左右する程の危機をむかえてるんだ。央国星の皇子が今地球に滞在してるんだが、その皇子がちょっと問題を抱えていてな……それが――」
「余のペットがの〜、いなくなってしまったのじゃ。探し出して捕らえてくれんかのォ」
車がついた先で銀時たちが出会ったのは、禿げた頭に一本だけ触覚が生えている天人だった。
彼は肩に乗った猫をなでながら言った。
その瞬間、銀時と新八は背を向けて帰ろうとする。
「オイぃぃぃ!!ちょっと待てェェェ!! 君ら万事屋だろ? 何でもやる万事屋だろ? いやわかるよ!分かるけどやって! 頼むからやって!」
「うるせーな。グラサン叩き割るぞうずらハゲ」
「ああハゲでいい!! ハゲでいいからやってくれ!!」
長谷川は慌てて銀時の肩を掴む。
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刹那*桜(プロフ) - きゃすみさん» 返信遅くなってしまってすみません!!コメントありがとうございます! (5月14日 14時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
きゃすみ(プロフ) - もう少し行あけると読みやすいです。でもめっちゃ面白かったです!! (2022年10月10日 13時) (レス) @page3 id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2021年2月13日 8時