天然パーマに悪い奴はいない 六 ページ15
「くらァァァ! 今日という今日はキッチリ金返してもらうで〜!! ワシもう我慢でけへんもん!! イライラしてんねんもん!」
キノコ髪の天人を先頭にズカズカと土足で土足に上がってくる。
「オーイ借金か。オメーらガキのくせにデンジャラスな世渡りしてんな」
「オメーが言うなオメーが」
銀時はサッとAを背中に隠して無表情でいい、そんな彼に戦が無表情でツッコむ。その後ろでキノコ髪の天人がワーギャー騒いでいる。
「俺達がつくったんじゃない……父上が」
「新ちゃん!!」
銀時たちに新八が何か言おうとするが、お妙は声を上げてそれを止める。
「何をゴチャゴチャぬかしとんねん!! 早よ金もってんこんかいボケェェ!! 早よう帰ってドラマの再放送見なアカンねんワシ」
「ちょっと待って今日は……」
「じゃかしーわ!! こっちはお前らのオトンの代からずっと待っとんねん!! もォーハゲるわ!!」
キノコ髪の天人は新八の言葉を切って荒い声でまくし立てる。
――あ、その頭、カツラじゃなかったんだ。
Aはこの状況でそんな呑気なことを考えながら静かに様子を見守っていた。
「金払えん時はこの道場売り飛ばすゆーて約束したよな!! あの約束守ってもらおか!!」
「ちょっと待ってください!!」
「なんや!! もうエエやろこんなボロ道場。借金だけ残して死にさらしたバカ親父に義理なんて通さんでエエわ!! 捨ててしまえこんな道場……おぶっ」
「!」
お妙はキノコ髪の天人の頬を殴ってしまった。Aは慌てて立ち上がり止めようとする。
「このアマッ!! 何さらしとんじゃ!!」
「ぐっ」
先に部下の天人がお妙を後ろから押さえ、彼女の顔を床に打ち付ける。
「姉上ェェ!!」
「このォボケェ……女やと思って手ェ出そんとでも……思っとんかァア!!」
キノコ髪の天人が殴り返そうとする。しかし後ろから天人の腕を、銀時とAが止めていた。
「そのへんにしとけよ。ゴリラに育てられたとはいえ女だぞ」
「銀ちゃんゴリラは余計」
二人とも殺気を放っており、掴んだ天人の腕がミチミチと音を立てている。銀時はAの呼び名に反応して視線を一度彼女へ向け、また天人へと戻す。
新八とお妙は銀時たちの行動を見て驚き、戦は関心なさそうにしていた。
「なっ……なんやワレェェ!! この道場にまだ門下生なんぞおったんかイ!!」
銀時とAはバッと手を離す。
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刹那*桜(プロフ) - きゃすみさん» 返信遅くなってしまってすみません!!コメントありがとうございます! (5月14日 14時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
きゃすみ(プロフ) - もう少し行あけると読みやすいです。でもめっちゃ面白かったです!! (2022年10月10日 13時) (レス) @page3 id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2021年2月13日 8時