君の視線から ... (ページ7)

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三年生になってから早数日。

新しいクラスになったものの
特に目立った出来事のない生活を送っている。

休み時間になっても周囲の子達のように
特に誰かと話をするでもなく、
自分の席に座って本を読んでいた。

別に人付き合いが嫌なわけではない、
本を読むのが好きだというだけだ。

それを分かっているソアは、
他の友人達と話している。

社交的な彼女は、
沢山友人がいて困ってはいないようだ。

当初懸念していたようなやかましさもなく、
安心して読書に励むことができた。

「ねえ…」

目の前の誰かに外界を遮断されても
本に集中していたせいで
掛けられた声に私は気が付かなかった。

そして、
突如体が誰かに揺さぶられる。

驚いて本から顔を上げると、女の子が目の前にいた。

自分の魅力を理解し良く見せるように完璧に
身嗜みを整えているリアとは違い、
化粧っ気はないが男なら守ってあげたくなるような
庇護良くそそる可愛らしさを持った女の子。

その子が誰だかは私でも知っている。

だから思わず顔を歪めそうになった。

「何か？」

読書の時間を邪魔されたのも
あったからか予想以上に低い声が出てしまった。

それでも彼女は特に気にした様子もなく、
にっこりと微笑み、

「私、キム・ハナって言うの！」

…だから？

思わずそう口から出そうになったが
すんでで言葉を飲み込んだ。

「知ってます」

「そうなの？嬉しい」

キム・ハナ

ニキの幼なじみで
彼ら三人とよく一緒に
行動している女の子だ。

女子生徒の全員が彼をヒスン様と呼ぶのに対し
『ヒスン』と唯一呼び捨てで呼ぶ彼女。
彼らのファンである学校中のほとんどの女子生徒から
嫌われていると言っても過言ではない。

それ故に女の子の友達は
一人もいないようだ。

正直、そんな厄介な人と
関わりたくはない。

そんな子がなんの用なのか、
嫌な予感がしてならない。

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