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森「で？君はポートマフィアに入ることにしたかな？」
ポートマフィア首領室にて。
首領である森と私は対面していた。
森「君はもし、ポートマフィアに信頼の置ける人物が見つかったならポートマフィアに入ると言ったね。
その約束を忘れては無いだろう？」
葉「えぇ、もちろんです。
しかし、」
言葉を区切り森を真正面から見つめる。
森は胡散臭い笑みで続きを待っている。
葉「ポートマフィアに入るつもりは有りません。」
森「なぜ？
中也君と太宰君では不満かい？」
葉「不満？
不満どころか、彼等と共に居たいと思います。」
森「ならば、ポートマフィアに入って居なくては難しいと思うが？」
首領室からの景色を見る。
そこは、私が憧れた景色。遮るものが無いほどに高く、そして強さの象徴。
葉「まだ、過去を捨てきれない。
弱いことは分かっている。
過去を振り返ってばかりでは駄目なことも分かっている。
でも、私は私を許せなくなってしまった。」
異能を呼ぶ。
本は私の望むページを開く。
森「ヘルマンヘッセ、か。」
葉「私は、私を許せない。
どうして、彼を殺してしまったの。
過去から抜け出せない。
このままでは、彼等と共にはいられない。」
森は深く溜息をついた。
その顔は哀愁に満ちていた。
旧友を失った悲しみに、その弟子である彼女の悲しみに。
森「過去を振り返るのはいいことだと私は思うがね。
もし、君が不満で無いなら、彼等に話すべきだ。
信頼しているのだろう？」
彼等はこの本に誓ってくれた。
しかし、それも今では太宰幹部の異能により解除可能だ。
それでも、初めて信じたいと思えた。
葉「私の方こそ、異能の付属品だ。」
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作者名：悠歌 | 作成日時：2018年3月10日 17時
